男は席を詰めて座らない太った女に不満を抱いたが、やがて己の不明を恥じた。
一体どうして?
転載元: 「ハムにはハムの訳がある」 作者: 裏庭🐓🐓2 (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/9808
【要約】
通勤時にいつも女の両脇に同じ女児たちが座ってくるので彼女たちのために安全なスペースを作ろうとしていることに気が付いたから。
真新しいランドセルを背負い、女の降車先である駅のほど近くにある学校の制服に身を包んだ女児2人は今年の春から女の最寄りの次の駅から女と同じ車両に乗ってくるようになった。
そして女がいつも座る3人掛けの真ん中の座席(若干(?)太めである女が総スペースの半分程度を占めている)の両側の成人なら座れない狭さの残りスペースに座るのだ。
女は困惑した。
まだ他に座席は空いているのに何ゆえにわざわざ自分の両隣のこの狭いスペースにこの子たちは座ってくるのだと。
女は未だ独身である。一人っ子かついとこたちの中でも最も若年であったため幼子の扱いが分からぬ。
女は面倒くさがりである。その結果だいぶわがままなボディの持ち主になったし通勤時に両側に人が座るスペースが減ると知りつつ自分の快適さを優先しようとするずる賢さと図々しさがあった。
しかしいっぽう女には人並み程度には善性があった。子どもは守られるべき存在だという良識があった。
おなじく名も知らない同士でも他の乗客より安全な存在だと、自分に対してあの子たちは判断をしたのだろう。
自分を飛び越えて会話を交わす友人同士なのであろう子供二人をそのうち庇護の対象のように女は考えつつあった。
うん、君たちが変質者に詰められたりして怖い思いするくらいなら好きなだけおばちゃんのこと使いなさいね!君たちが座ってくるまでの他の大人たちのちょっと冷たい目線くらいなんてことないわ!!( ;∀;)でも君らが大きくなって座るのきつくなってきたらおばちゃんちょっとだけ痩せようかな…!