北に向かう時は青で、南に向かう時は黒だったのに、ある時突然白になったので、男はとても驚いた。
すると女が、赤の時もあることを教えてくれた。
男は赤の時のために父親を犠牲にした。
一体どういうこと?
転載元: 「朱雀」 作者: ハッポポ (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/7443
朝、男の子が保育園に向かって北に進む時、遠くの山は青く見える。
夕方、自宅に戻るために南に向かう時、同じ山は夕日を背にして黒く見える。
だがある朝のこと、山が真っ白になっていて、男の子は目を瞠った。
「ママ、おやまがしろいよ!」
「そうねえ、雪が積もったのね。」
「ゆき? まだあきだよ?」
「お山は高くて寒いから、もう雪が降ったのよ。」
「ふうん……」
母親は、ふと思いついたように言った。
「お山が白くなったということは、朝焼けで赤く見えることもあるかもね。」
「え? おやまがあかくなるの? みたい!」
「うーん……でも、いつも赤くなるわけではないし、お寝坊さんが毎日早起きするのは無理かなあ。」
「まいにち はやおき?」
「そう。毎日6時くらいに起きて山を見に来れば、いつかは赤い山が見れると思うけど。いつもママが起こしてもちっとも起きないじゃない?」
「はやおき、する! あかいおやま、みる!」
「そう? でも、パパの帰りを待って遅くまで起きてたら、早起きなんてできないのよ?」
「パパと遊ぶのは、がまんする!」
この話を聞いた父親は、「山に負けた!」と嘆いた。