とある村に、人を喰らう化け物がいた。村人たちは、化け物を鎮めるため、生け贄を捧げることにした。
生け贄には、カメコという名の美しい娘が選ばれた。彼女は酒と一緒に供物として捧げられた。
震えながらカメコは待った。夜が更けた頃、化け物は現れた。死を覚悟したカメコはしかし無事だった。
一体どうしてだろう?
転載元: 「【酒ますか?リサイクル】その時のために」 作者: 名無し編集者 (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/5471
カメコがあまりに若かったので、繁殖を優先してキャッチアンドリリースされたから。
俺様は何も、人間を根絶やしにしたいわけじゃねえ。
そりゃあ人間はうめえから毎日喰ったって飽きやしねえが、そんなことをしたら村に人がいなくなるだろうがよ。
そこで俺様は考えたわけよ。
当面人間を喰うのは、年に一度、冬至の夜の御馳走ということにして、たっぷり喰うのは人間が増えてからにしようってな。
だからよ、おめえのようなちっこい「おなごわらし」を喰う気はねえのよ。
だいたい骨ばっかで喰うところなんかねえし、物足りねえじゃねえか。
おめえには、しっかり喰ってでっかくなって、子供をたくさん産んで欲しいわけよ。
んで、増えてでっかくなった人間を俺様がたらふく喰うのよ。げへげへげへ。
だからおめえは村に帰れ。
ほれ、木の実やらきのこやらをやるから持って帰って喰え。
酒は・・・まあ、俺様がもらっておくか。うん。
でな、せっかくの御馳走なんだから、俺様は筋肉もりもり歯ごたえばきばきのでっけえ男の方がいい。
そう村長に伝えておけ。
カメコは命拾いした。
しかし割と絶望した。