前問題にてスナイプされてしまい、心を癒やすため大海原へ船出したエルナトは案の定遭難してしまったらしい。
みんなの力で彼を見つけ出し、Cindyに連れ戻してあげて欲しい。
***ルール***
1.エルナトは、下図表が示す大海原のマス目の何処か1マスにいます。
01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | |
a | ||||||||||
b | ||||||||||
c | ||||||||||
d | ||||||||||
e | ||||||||||
f | ||||||||||
g | ||||||||||
h | ||||||||||
i | ||||||||||
j |
転載元: 「Cindyの皆様にSOSです。」 作者: エルナト (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/849
※解説が長くなるため、イベント解説はメモ帳に移動させました。
***正解法***
島・船探索なしでも以下のようにして正解に辿り着ける。
(方角特定は必要だが、無人島ヒントなしにも太陽位置から類推はできるようになっている)
1.まず、島と船の位置を大まかに特定する。
2.渦潮が10×10マス目の何処を探しても見つからず、行1と列aに何もないことから、文字列がある左・上端の列・行の所も捜索範囲であることに気付く。
3.「割と近い」ヒントが隣のマスで出ることが経験的に分かれば、エルナトがいつ周囲を見ても「遠くに◯◯が見える」としか言わないことで、何も見つからない行1または列aに隣り合った場所(つまり左端文字列または上端文字列)を常に移動していることが分かる。
4.方角特定後、渦潮が常に北に見えることから渦潮が一番左上マスにあることを特定する。
5.あとは、周囲探索で「船」が見えるタイミングで1/2の確率で当てに行けば(島はたくさんあるので参考にならないが、船は2つしかないので、左端文字列にエルナトがいると分かれば後は横の列がどの高さかを船の位置で類推できる)、1回目で外し次に潮に流されて北、南のどっちにいったか分からなくても残り2回で的中させられる。
(渦潮に近付いていることを知っていれば北に流されることは明白だが、ノーヒントではその確証が持てないので当てずっぽうの1/2になる)
→max3回の質問で特定可能。
6.但しこれをされると、せっかく作った物語が何一つ公にならずエルナトが悲しむ。
***配置マップ***
渦 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 |
a | ||||||||||
b | 島 | |||||||||
c | 島 | |||||||||
d | 島 | |||||||||
e | 船 | |||||||||
f | 島 | |||||||||
g | 船 | |||||||||
h | 島 | |||||||||
i | 島 | |||||||||
★ | 島 |
***Special Thanks***
前問題で私が探さないで下さいと言った時に、「探しに行って必ず連れ戻します」と言ってくださったメトロノームさんの優しい一言で思いついた問題です。メトロノームさん、心から感謝申し上げます。
そして最後まで私のことを探して下さった皆さん、本当に、本当にありがとうございました。
これからは前向きに、強く、生きていきたいと思います。
***あとがき***
この問題は、マス目と言われると「文字の書いてない10×10マスの中」だけを考えてしまう垂直思考を利用した問題です。
「文字の書いてあるマスにエルナトがいないとは言っていない」
「海の神様のヒントで、島、船、渦潮が文字のないマスにあることを触れてもエルナトの居場所については触れていない
(しかも10×10マス以外に、一番左上にも空白マスがある)」
「座標表記方法をa-01などだけでなくわざわざ「エルナトに伝わればOK」と書いた(「aが書いてあるマス」など)」
ことが全て水平思考要素のつもりでした。
逆を言えば「そんなのありか!」という声に怯えています。
皆様どうか、ご容赦のほどよろしくお願い申し上げます。
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***Kameo Hamalの記憶***
★1957年 11月30日
堪らなく夏の海が好きな私にとって、もうすぐ冬がやってくることは拷問でしか無い。
我慢できず、私は南の楽園、シンディ諸島に飛び立ち、そこから船で祖国へ帰ることにした。
当初はヨットの予定だったが、ちゃんとした船でも1ヶ月近い船旅になることが分かり、割りと立派な船を借りることにした。
妻には反対されたが、なあに、年内には帰れるさ。
★1957年 12月1日
シンディ諸島で最も賑わいのある街、シェラタンに着いた。
私のファミリー・ネームにもゆかりのある地名に、私は感激を覚える。
街の女性たちは妻同様無謀だというが、この街の町長で街の名を名乗るシェラタンは、私の船旅を歓迎してくれた。
彼とは良い友達になれそうだ。無事に祖国へ帰れたら、必ずこの島に戻ってくるよ。
そう約束して、私はこの街を出発することにした。
★1958年 1月1日
見渡すかぎり、海しか見えない、遠くの方に島影が見えては、すぐに消えていく。
距離感も分からないこの大海原で、私は一人彷徨っている。
認めたくはなかったが、どうやらこの船は故障してしまったらしい。
もう自力で祖国へ戻ることはできないのだろうか。妻に心配をかける訳にはいかない。
はやく、祖国へ帰らなければ。
★1958年3月8日 持ってきた食料はとうの昔に底をつき、飢えを凌ぐために魚を釣る。 3日ぶりに連れた魚は、私の手のひらの半分もない小さな、小さな魚だった。 それでも、久しぶりの食料だ。釣った魚は、どんなに小さくたって美味しい。
★1958年3月9日
遠くに見えるあの変な波はなんだろう──薄々気付いてはいるけれど、気付かないフリをしている。
もう、ダメかもしれない。私は1枚の手紙に最後の希望を託すことにした。
「船が故障しこの大海原を彷徨ってもうどれくらいの歳月が経っただろうか。見渡す限り海ばかりで、遠くに見える島の大きさを比較するものも何もない以上、距離感さえ掴めない。せいぜい地図上の1マス、10km程度まで近づかなければ遠近すら分からないこの海の恐怖を、今まざまざと感じている。どうか誰かの元に届くことを願って、この手紙を海に流す。私はもう何ヶ月も前にこの海域にあるあの賑やかな島を旅立った。今、私がどこにいるのかは分からない…… ハマル」
★1958年3月11日
「遠くに渦巻く波が見えてからは早かったような気がする。何ヶ月もこの海を彷徨っていたことが嘘のように、全てが一瞬で消え去ろうとしている。日に日に、渦巻く波は近づいている。もう、助からない──あの手紙は誰かのもとに届いただろうか。もし運良くどこかの島にでも流れ着いたら、その時は──どうかシェラタンの住む、あの街に私の亡骸を届けてくれないだろうか。
そして祖国の妻に、どうか会わせて欲しい──一言すまないと、言ってあげたかった」
私は胸のペンダントを握りしめ、天を仰いだ。空は、何処までも晴れ渡っていた。
★1958年3月13日
気が付けば、私は見知らぬ島にいた。ここは──どこだろう?私は、助かったのか?
奇跡とも思える出来事に、私はまだ人生を諦めてはならないことを悟った。
島の奥の方に、何やら建物が見える。妻よ、私は必ず君のもとへ帰ろう。
★1958年3月31日
この島で見つけたものは、廃墟と化した神殿と妻の写真を収めたペンダントだけだった。
このペンダントだけでもここに届いていたことは、奇跡に近い。神様はまだ諦めるなと言ってくれているのだろうか。
そうだとしたら、諦めない。必ず、会いに行く。シェラタンとの約束も果たさなければならない。
あぁ、いつの日か船上レストランで妻と共に食したあのウミガメのスープ。
いつの日かまた、二人で食べられたら、良いな。