リナとカナは双子の少女。
二人はもちろん顔がそっくりで、周囲の人は区別がつかない。でも両親は二人を見間違えることはない。
しかし二人が成長して少し顔つきが変わり、周囲の人も間違えることは少なくなったころ、両親はリナをカナと見間違えてしまった。しかも、自分たちがリナにそこへ来るよう呼んだ時に。
いったいどういうことだろう。
※若干要知識の要素あり
転載元: 「【第一夜】双子と夏の夕暮れの問題」 作者: GoTo_Label (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/9612
夏の夕暮れ。
中年の夫婦が自宅で盆の迎え火を焚いている。
そこへ、家にいるはずの彼らの娘が道の向こうからやってきた。
「なんだカナ、いつのまに外に行ってたんだ?」
「ふふふ、ひどいなあ。お父さん、お母さん、私カナじゃないよ」
「…………!?」
驚愕する両親に、二度と見るはずもなかった娘……去年事故で亡くなったリナは恥ずかしそうに笑う。
「お父さん、お母さん、先に死んじゃってごめんね?」
両親は涙を流してリナを抱きしめる……
夏は、魂が帰る季節である。