【足ますか？オマージュ】look in the mirror of my mind

旧A道。
二人の足のない美人の幽霊が、ベンチに腰掛けて話し合っている。

「レイカさん、可愛いのになんで死んじゃったの？あたしほどじゃないけど。…っていうか霊だから心も読めるけど。あ〜やっぱ男なんだ〜><」

「ほっといてよ。男のせいで自殺したとかじゃないし。ただ、男に利用されてばっかりのあんな人生どうでも良かったから、薬飲んで寝ようと思ってたらちょっと量が多すぎただけ…。そんなん、あんたみたいな頭からっぽな小娘にわかるわけない。」

「まって　頭からっぽとかガチひどくね？あたしギャルだけど、割と成績は良かったんだよ？推薦も取れそうだったし。今だって閻魔っちのとこでバイトしてるし。それに、これでも一応生きてたら４７歳だよ？１９７５年生まれ。」

「え…そんな年上なんですか？ってか、なんでそんな長い間成仏もしないでふらふらしてるんです？」

「いや、一応成仏はしたんだけど…てか、あたし、事故で死んでさ。３０年そのことに気付かないで、毎日好きな男待ってパンくわえて通学路走ってたとかwちょー受けるw」

「何それ…そんな大変な思いして…あたしが生まれる前からずっと…その年でそんなに一人の人のことを…」

「いや、別に自分としては記憶ないから大変でもないしw っていうかその年で、ってチョベリグなJKなんだから、恋ぐらいしかやることなくね？」

「え、享年の方じゃなくて、１９７５年生まれなんでしょ？うちの母親と一緒です…。」

「そーなんだ…。」

「親を置いて死ぬとか、この親不孝もの、って葬式で泣かれたんですよね…。」

「あたしも生きてたら、レイカさんみたいな可愛い娘がいたのかな…。」

「…まみたんさん、そんなに長い間一人の人のこと思い続けてたんですね…。」

「まーね。でも、もう成仏したし。今日はたまたまレイカちゃんの噂聞いて、ちょっと戻ってきたけど。てか閻魔っちが、死者の評判落としてる奴がいるからお前ちょっと行ってこい、お前現世で３０年もうろうろしてたんだからそういう奴の気持ちわかるだろ、って。ひどくね？ちょっとバイト料あげろってゆーわw」

「ありがとうございます…。もうこんなことはやめますね…。」

「あー、閻魔っちに『説得行ってもいーけど、地獄行きとかだったらたぶんこっち来ないっすよ？自殺ぐらいで生前そんなに悪い事してなかったら、天国の方連れてっていーっすか？』って言ったら、しゃーないって言ってたから、たぶんおけ。閻魔っち意外とギャル好きww」

「そんな口利きまで…ありがとうございます…」

「っていうかさ、さっきから敬語やめてくんない？」

「だって４７歳ですし。」

「やめてw チョベリグなJKだって言ってんじゃん！っていうか、結構向こうにもやばめな男いるよ？年齢高めが多いけど、年上好きならいいんじゃね？
　え、あと、モデルさんだったら食事制限とかやばかったんじゃん？？これからは、体重とかかんけーなくスイーツバリいけるし！
　あと、虹の橋ってとこ、まぢ神🌈猫カフェ状態🐱」

「はーい…」

「おけ。じゃ一緒逝こ？」

ふと気付くと、いつの間にか、二人の足のない美人の幽霊は消え失せていた。

まみたん（妙見真実）：享年１７歳の女子高生。ミニスカ・ルーズソックス（霊の時は足部分はない）でメガネイケメン好きのギャルだが、素直で一途な性格で、実は真面目で成績もわりと良い。
好きな人に会いたくて走っていたところ、車に轢かれて命を落としたが、３０年間死んだことに気づかず現世にいた。
Cindyのみんなのおかげで成仏に成功。
最近では、ギャル好きの閻魔大王の所でアルバイトをしている。
３０年間現世にいた経験を買われて、なんやかやと頼まれている様子。

レイカ：享年２３歳のモデル。美脚が自慢だった（今はない）。
男に都合のいい女扱いされ、人生が嫌になって命を落とした。
死にたてのイケメンの霊を捕まえては、旧A道で人間を脅かして楽しんでいたため、「旧A道に霊が出る」という評判が立った。

参考：まみたん１
まみたん２
レイカ