【出会いますか？イマサラオマージュ】夜更けのシャッター街

ある真夜中に、普段よりも綺麗に化粧をし、新調したばかりのスーツを着た女が外出した。
女はシャッターの降りた商店街を歩き、誰にも出会うことなく目的を果たして帰宅した。

実は真夜中でなくても目的を達成させることは可能だった。
女が言うには、人目を避けたい気持ちはあったが、誰にも会わなかったのは偶然で、意図したことではなかったとのこと。

さて、女がわざわざ真夜中を選んだ理由は何だったのだろう？

※ 要知識だったらスミマセン。

身支度を省略したかったから

就活しようと決めた女は、商店街に設置してある、「肌がキレイに写る証明写真自動撮影ボックス」に行くことにした。

だが、証明写真で重要なのは上半身だけなのである。
髪や顔は完璧に整えたいし、ブラウスやスーツも手は抜けないが、足元はどうでもいいと言えないこともない。

結局女は、真夜中に写真を撮りにいくことにした。
多くの店が閉まっている夜ならば、生足にサンダル履きでも気づかれまいと思ったのだ。

どうせ証明写真ボックスは24時間利用できるのだから。