ある日、神様の気まぐれで、陸がなくなり、世界は空と海だけになりました。
神様は、ただ二人生き残った人間に尋ねました。「好きな生き物に変えてやろう。何がいい?」
一人の男は言いました。
「鳥になりたい。鳥になって果てしない空を自由に羽ばたきたい」と。
男は鳥になりました。
もう一人の男は言いました。
「魚になりたい。魚になって、大海原を自由に泳ぎたい」と。
男は魚になりました。
数時間後、鳥になった男は絶望しました。なぜ?
転載元: 「神様と鳥と魚と」 作者: メラ (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/8475
鳥になった男は、最初は楽しそうに空を飛んでいました。
しかし、疲れて羽を休めたいと思ったとき、はたと気がつきました。
ーどこで羽を休めたらいいのだろう?
果てしない空を舞いながら、鳥になった男は絶望しました。
「鳥が自由だなんて誰が決めたんでしょうね?
たとえ思うがままに空を飛べたとて、たどり着く地も、羽を休める枝もなければ
翼を持ったことさえ悔やむかもしれない。
本当の自由とは、帰るべき場所のあることかもしれませんね・・・」
『最遊記』光明三蔵法師の言葉より