悪魔喰らいとも呼ばれたトラブルメーカーであるシュノーが窓辺でじっとしているのはどうして?
*μCraftさんの出題枠①のリサイクルです。
転載元: 「【悪ますか?リサイクル】magic, madness, heaven, sin」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/8389
*食べ過ぎ。
ムース、エクレア、タルトレット。
トライフル、クレープ、ガトーショコラ。
ギモーヴ、マカロン、マドレーヌ。
お口直しにセイヴォリーのピザやパスタ。
コンセプトに合わせた芸術品のようなスイーツが美しく並ぶ、高級ホテルのスイーツビュッフェは、レディの社交場。
リトルブラックドレスに身を包んだ、美女・美魔女たちが行き交う。
シュノーこと塚口朱乃(つかぐち・しゅの)は、2か月に1回美魔女仲間とスイーツビュッフェに来るのを楽しみにしている。
モデル並みの美貌とスタイル。
ハイブランドのベアトップドレス。
スタッズがぎっしり付いた11cmのスティレット。
シャンデリアより輝くジュエリー。
しかし、シュノーが人目を引いている理由は、それだけではない。
本当にシュノーを際立たせているのは、「悪魔のように食らう、悪魔喰い」 とも称された、その食べっぷりにある。
スイーツ、セイヴォリー、一巡した後は気に入ったスイーツを一通り。
セイヴォリーを挟んで、もう一回行っておきたいスイーツを…と、時間いっぱい威勢よく食べ続ける。
もちろんガツガツなどしない。
美しく、平らげていくのだ。
惚れ惚れするまでの食べっぷりは、フードファイターのスカウトが来たほどだ。
しかし。
一緒にいる友人たちは彼女を不安げに眺めている。
なぜなら、彼女は、2回に1回は帰りに具合が悪くなって倒れているからだ。
救急車を発動させたことも1度や2度ではない。
そう。彼女シュノーこそがスイーツビュッフェ界の トラブルメーカー なのだ。
(出禁を恐れて、ホテル内で倒れたり救急車を呼んだりすることはないのが、よけいたちが悪い。)
今日も、とりあえず一休みしたいと、ホテル近くのカフェの窓際の席に倒れ込んだシュノー。
冷たい窓ガラスの感触が気持ちいい。
「シュノー、今日は大丈夫…?」
「う、うっぷ…なんとか…ちょっと休んでたら楽になるし…多分救急車とかはいらない…」
「当たり前だろw」
「ごめん、液キャ◯買ってきてくれない…?」
「は???」
カフェの窓辺にぐったりともたれかかり動かない、ゴージャスな美魔女シュノーに、友人たちの呆れた眼差しが注がれていた。