壁一面に貼られた魔除けの札を次次剥がしていく女は
自分はもうすぐ幸せになれると確信している。
一体何があったのだろうか?
*Q5 kUmaさんのリサイクルです。
転載元: 「【悪ますか?リサイクル】faded pictures on the wall」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/8384
*魔除けの札をめくってみると、そこには、仲間が隠していたあまりよろしくないお薬が…とりあえず女もすぐに使って、「幸せ」になったのです。
「奥様ですか?」
「はい、長らく別居していましたが。」
「では、遺品の整理などを。」
「はい。…このお札は?」
「亡くなる前、ご主人様はだいぶ精神的に不安定だったようで…。」
「そうですか。わかりました。」
女は、血眼になって夫の荷物を片っ端からひっくり返した。
(…おかしい。どこにも見つからない。
あいつ独り占めしやがったのか。どこかに横流しでもしたのか。
それとも誰か先に来て盗んでったのか。
幻覚を見るぐらい精神的に不安定になってた、というのなら、だいぶ使う量も増えてたのかもしれないけど。
まさか全部使い切ったんじゃないだろうな?)
ふと壁の魔除けの札に目が止まった。
剥がしてみると、裏には…
「ふふっ♡みーっけ」
次々と剥がしていく女。笑いが止まらない。
粉のついたお札を次々と袋に叩き込んでいく。
最後の1枚。ああ、もう待ちきれない。
吸い込むと、女には喩えようもない多幸感が訪れた。
誰もいない部屋に、女の高笑いだけが響いていた。