カメオが線香花火に火を付けたのは、燕の巣を見かけたからだという。
閃光のように飛ぶ燕を見てダジャレを思いついた訳ではないとしたらいったい何故なのだろう。
※セルフリサイクルです。
転載元: 「【燕ますか?リサイクル】閃光花火」 作者: エルナト (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/812
「それは、なあに?」
ある年の8月15日。緑色の棒に火を付ける母を見て、カメオが尋ねる。
「お線香よ」
「何をしてるの?」
「今日は、遠い所に行ってしまった人が、戻ってくる日だから」
仏壇にお線香をあげながら、カメオの母は言った。
山から蝉がワシャワシャと鳴く声が聞こえてくる。
玄関先から見上げた場所に残された巣をみて、ふとカメオは燕のことを思い出した。
春先は燕で賑わっていた玄関先には、もう、一羽の燕もいない。
「ツバメさんは、何処に行ってしまったの?」
「そうね……遠い所に行ってしまったみたい」
「じゃぁ僕、おせんこーする!」
「え?」
そう言って家の中に入っていったカメオは、しばらくしてどこからか見つけてきた線香花火を手に持っていた。
そういえば何日か前にみんなで花火をしようと言って買ったんだっけ。
「ツバメさんがまた、戻ってきてくれますよーに!」
***答え***
お盆にご先祖様が帰ってくるために線香をあげる真似事をして、
巣からいなくなったツバメが帰ってくるようにと子供のカメオが線香花火に火を付けた。