アタマニチガノボル

あるところに、ふとしたことから言い争いになり喧嘩を始めたAさんとBさんがいた。
事の発端は、AさんがBさんのことを「お前って本当にデブで顔がデカイよね」と嘲笑ったことが原因である。
自身のことを侮辱されたBさんはAさんのことを「お前こそ胴長短足でやせ細ってるくせに調子に乗るな」と罵った。
二人の喧嘩はヒートアップをしていき、やがて殺し合いになった。
それからしばらく経過した頃。
Aさんのすぐ側には、鋭利な刃物で刺されたようなBさんの死体があった。
AさんはBさんを見下ろしながら「ああ、痩せ細った体に生まれて本当によかった」と思った。
Aさんはなぜそんなことを思ったのだろう？

AさんとBさんは文字通り「A」さんと「B」さんであり、体の形もそのままアルファベットの「A」と「B」である。
自分のことをガリガリだと罵られたAさんは自身の尖った頭の先端部分でBさんを刺した。
もし「A」さんの体型が「B」さんのような体型だったなら、刃物になるようなものはなく、自分が殺されていたかもしれない。
そのため、Aさんは自身がやせ細った体に生まれてよかったと思った。