少しおっちょこちょいだけど恥ずかしがりな玲奈の、いつも見えないところにあるものの色がチラッと見えたので、春樹はちょっとドキッとした。
どうして?
*百人一首 その四十【しのぶれど いろにいでにけり わがこひは ものやおもふと ひとのとふまで】からのinspireです。
*こんなこと書いたことは一度もないですが、念のため、エロません。
*参考までに、玲奈、春樹です。
転載元: 「she wears short skirts, I wear T-shirts」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/7460
玲奈が口紅をうっかり落としたことで、いつもマスクをかけている鈴奈のつけているリップの色がわかり、春樹少年は少しドキッとした。
今日は休日。玲奈は仲の良い夢花たちと猫宮中央にショッピングに出かけることにした。
夢花や美沙みたいにミニスカート履いてめっちゃおしゃれするわけじゃないけれど、ちょっと可愛いTシャツを着て、いつもの学校では薄めにつけてる赤リップも、ちょっと濃い目につけてみた。
…と言っても恥ずかしいし、花粉症だからマスクしちゃうんだけど。
前髪とか変じゃないかなあ…
ホームで電車を待ちながら、鏡を見ようと玲奈がポーチを開けた途端、手が滑ってポーチの中身がぶちまけられた。
「あっ」
コロコロと転がって、そのままリップは線路に転落。
「げっ どうしよ…あ、駅員さーん 落としちゃったんですけど。」
ちょうどその時、春樹は新型LT8500系の入線待ちで、ホームに立っていた。
「あ、駅員さんだ…あ、マジックハンド持ってる。水平鉄道の制服やペイントカラーともコーディネートしたマジックハンドなんだ…さすが水鉄、徹底してんな…だけど、一体何落としてんだろ。見てやろ。ん、口紅?赤いやつだ。落としたの女?あれ…玲奈ちゃん!?」
「あ、ありがとうございます〜〜!お忙しい中、お手をお止めして申し訳ありませんでした!!」
駅員に必死でお礼を言う鈴奈。顔を上げると春樹がいた。
「げっ、春樹…くん?あ、あのっ たまたま落としちゃってっっ!今日は夢花たちと猫宮中央に買い物行くのっ!それじゃ!!」
走って去って行く玲奈。
「あ、まって、猫中だったらこっちの方が改札近いよ!あとこれなんか落としてる…LT8300系のチャーム?」
「玲奈ちゃん…いつもマスクしてるから気付かなかった…あんな赤リップつけてるんだ…そう言うの関心ないと思ってたのに。意外…」
駅員さんが拾った口紅と、それを渡された時の玲奈。
普段とのギャップに、春樹はどきっとした。
そして、その日、春樹の写真は、どことなくピントが合わなかったという。