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I'd fight away all of your fears

[ウミガメのスープ]

家に帰ってきたら、恋人が薬をやって訳のわからないことを言っていた。
「お前も薬をやれ」「俺の名前のタトゥーを入れろ」
ダメだ。こんなダメ男と一緒にいたら私はダメになる。
そんなこと私がやるわけないじゃないか。

追い出そうとしたら、揉み合いになった。
Tシャツは引きちぎられ、つけていたネックレスやイアリングは飛び散った。
そして私は、包丁で刺された。
その包丁で、恋人は自分の腹も刺した。

私は、瀕死の恋人を一人家に残して、ただ愛する人を救いたいという一心で、痛みに耐えながら必死で病院に向かった。
「なんのためにこれまで体を鍛えてきたんだ」と自分に言い聞かせながら、一歩一歩歩みを進めた。
できるだけ、血が流れないように気をつけながら。

家に残しておいたら恋人は死んでしまうし、自分だって死んでしまうのに。

なぜその女はそんな行動を取ったのだろうか。

*百人一首 その三十八【わすらるる みをばおもはず ちかひてし ひとのいのちの をしくもあるかな】からのinspireです。

*他のinspire元もあります。


出題者:
出題時間: 2022年6月11日 15:26
解決時間: 2022年6月11日 15:37
© 2022 gattabianca 作者から明示的に許可をもらわない限り、あなたはこの問題を複製・転載・改変することはできません。
転載元: 「I'd fight away all of your fears」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/7455
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どうやら私は男を見る目がないみたいだ。

こんなだめな母親、天罰が下ったんだ。仕方ない。
私の命なんてどうなったったってかまわない。

でもあの子はどうなる。ずっと入院している一人息子。
私と同じ、特殊な血液型を持ったあの子。
治療にはその血が必要なんだ。

だから私は、薬やタトゥーなんてもちろん、ピアスさえしなかったし、体も鍛えて健康には人一倍気を使ったんだ。
あの子に血を提供するために。
あの子だけには幸せになって欲しい。そう誓って生きてきた。
どうせ死ぬなら、私の血を一滴残らずあの子のために使ってほしい。

そうして、息子の病院を目指して、一歩一歩病院に足を進めた。
血塗れで歩く私の姿を、世間がどう思うかなんて知らない。
少しでも、あの子の命を繋ぐ血が無駄にならないように気をつけながら。

ようやく目の前に病院の玄関が見えてきた。


女はそこで力尽きて倒れた。手に息子の写真を握り締めながら。
片耳にだけ残っていたイアリングが、アスファルトに飛び散った。

inspire元


出題者:
参加するには または してください
パトロン:
アシカ人参
と 匿名パトロン 3 名
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Cindy