牧場から離れていこうとしている牛を見かけた牧場主のカメオは、慌てて牛にしがみつき、引っ張った。
うんとこしょ、どっこいしょ。
それでも牛は止まりません。
それを見た、カメオの後ろにはおじいさんが、その後ろにはお婆さんが、その後ろには妻が、その後ろには犬が…と、どんどん人は増えていき、それぞれがしがみつき、みんなで牛をなんとか引っ張っていた。
カメオたちがそこまで牛一匹に必死になっているのは、牛を引っ張るのを諦めると、カメオの命が危なくなっているからだという。
一体どういうこと?
転載元: 「Cindy童話 大きな牛」 作者: ドナ (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/7243
牧場の上空に突如UFOが現れると、スポットライトが当たるように牛が照らされ、徐々にufoの方へ浮かんでいっていた。
それを見たカメオは牛にしがみつく。
だが、それでも上がっていく牛。
その後ろにおじいさんがしがみつく。
それでも上がっていく牛。
その後ろにおばあさんがしがみつく。
それでも上がっていく牛。
………
何人もしがみつき、ようやく力が拮抗した時には、牛は高さ10mまで上がっており、地上から人で作られたロープのように、人が連なっていた。
必死になっていたカメオは、ふと冷静に考えた。
疲れてきたし、牛一匹ならもうくれてやってもいいが、今手を離したら、落ちて死んでしまうのでは…引っ張るのをやめてもらってUFOに連れ去られても、それはそれで危険ではないか…と。
どちらにしろ、この人間綱引きに勝つしかないことがわかったカメオは、牛に必死にしがみつき、みんなに引っ張ってもらうのだった。