高校生のカメコは、ミステリ小説好きという共通点から同級生のウミオと意気投合し、本の貸し借りをするようになった。
ある日カメコは、「うちの本棚を自分で見て、読みたい本を探してみない?」とウミオに誘われた。ウミオのことを憎からず思っていたカメコはこれに応じた。
ウミオの家で彼の自室に案内されたカメコは、テーブルの上に新刊のハードカバーが置かれているのに気が付いた。
速水蒼の長編ミステリ『ウミガメのスープ』。あらすじは以下の通りである。
海を一望できる小高い丘に佇むレストラン・うみがめ亭。料理長の糸屋は、朝のニュースで報道された自殺者が、昨日うみがめ亭に来店した男であることに気付いて驚愕する。男の足取りを追ってやって来た警察の聞き込みに応じながら、糸屋も男が何故自殺してしまったのか、思いを巡らせていくーー
さて、以上の内容を知ったカメコは、ウミオに対して幻滅した。いったい何故?
転載元: 「恋はミステリアスに終わる」 作者: つむじ風商会 (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/7097
ウミオは、読みかけの『ウミガメのスープ』を、開いて伏せた状態でテーブルに置いていた。
この状態だと、表紙に書かれたタイトルや著者名と、裏表紙に書かれたあらすじを一遍に知ることができる。
それを見たカメコは、今までウミオに貸した本も同じように扱われていたかもしれないと思い、幻滅したのだった。