「竜か、意外だな。」
弟と二人で夜の街へ出かけ、ネオンサインの看板を見て私はそう呟いた。
一分ほどすると救急車とパトカーの音が響いてきたので私たちはその場から逃げた。別に私たちは悪いことはしてないのだが、逃げた方が彼らのためになると思ったのだ。
一体何が起こっているのか詳細に説明せよ。
*この問題は亀夫君問題です。「私」に質問してください。YES/NOで答えられる以外の質問もできます。
*Q8 ノーキンさんのリサイクルです。
転載元: 「【音ますか?リサイクル】living on the edge of the law」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/7072
*「私」は子どもであり、虐待を受けている仲間を助けるため、自分でパトカーと救急車を呼んだ。
子どもが呼んだとわかったら冗談とかいじめだと思われるのではないかということを気にした「私」は、パトカーと救急車が到着したのを見届けて、その場から逃げて隠れた。
*「夜の街」とは繁華街・歓楽街のこと。問題文の時間帯は日曜の昼である。
だって、夜に子どもが外に出ているのは「悪いこと」だから。
*「彼ら」は助けてもらう仲間だけではなく、警察・救急の人のことも指す。
私は怜弥。11歳。
お父さんとお母さんはこの街でずーっと診療所をやっている。
大人は、この街のことを「夜の街」って呼ぶ。
確かに、夜の方が賑やかだし、昼だってネオンが結構キラキラしてる。
あの街の子どもと遊ぶな、っていう大人もいるみたい。
でも、お父さんとお母さんは、「ここの人たちはこの世界で一生懸命生きている。人を仕事で差別してはいけないよ」っていつも言ってる。
ここの友達もみんな良い子だ。美紅はお父さんがいなくて、お母さんが小料理屋で一生懸命働いている。
愛太は、うちのお母さんは、本当はお父さんで、お父さんが二人なんだよ、って笑って教えてくれた。
でも、みんながそんなに楽しく生きてるわけじゃない。
弟分の祐希のおうちはコンビニをやってる。
だから、駐車場にふらっと話をしに来る子どもたちもいるんだよ。
今日は久しぶりに竜が来てた。
竜は、あんまり外に出ない子だから、意外だと思った。
「竜か、ここに来てるとか意外だな。久しぶり。どうしてたん?」
竜、だいぶ痩せてた。ご飯も食べてないっぽかったし、結構傷とかあって、やばそうだった。
「うちの診療所来る?」って聞いたけど、怜ちゃんのパパとか大人の人には相談したくない、って言ってた。
でも、このままじゃ絶対良くないと思った。
「ちょっと竜と話してて」
私は、竜の相手は祐希に頼んで、こっそりパトカーと救急車を呼んだ。
「3丁目のコンビニに、男の子が一人います。すごく痩せてて、怪我してて、ぎゃくたい?かも。ちょっと見に来てくれませんか?」
1分したらパトカーと救急車が来た。
「逃げて。ちょっと隠れるよ、祐希」
「え、なんで?」
「子どもが呼んだ、ってバレたら、信用してもらえないかもしれないじゃん。怒られるかもしれないし。ひどいとあたしたちが虐めたとか思われちゃうかもよ? だから、竜だけ残して行くよ。」
私は祐希と一緒にこっそり逃げ出した。
お巡りさんと大きな病院だったらきっとなんとかしてくれる。
多分、これで、竜は助かるよね。
*なお、男の子みたいな名前であるが、「怜弥」は女の子である。
出題者の趣味でもあるが、この年代でこのぐらいテキパキ喋れるのは女子に多い、ということも考慮。