ベガ・ダリーラとアルタイール・ダクィッラは、貧しいながらも、勤勉に働く恋人たちだった。
しかし、ある日、遊びに夢中になっていると咎められ、川を挟んで離れ離れにされてしまった。
二人の思いを繋ぐのは、一羽の白い鳥だったという。どういうことだろうか。
*百人一首 その六【かささぎの わたせるはしに おくしもの しろきをみれば よぞふけにける】からのinspireです。
転載元: 「a bridge over troubled water」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/7047
牢獄の間の連絡を伝書鳩に託した。
縫製工場の下働きをしているベガと自動車修理工見習いのアルタイール。
この国で若者が十分な給料を得て働いていくのは大変だが、二人はなんとかやっていた。
しかし、二人は、相手にほんの小さな、クリスマスプレゼントを渡したかったからという理由で、万引きをしてしまった。
残念ながら、この国の政府も、警察も、裁判も公平にはできていない。
もちろん万引きは良くないことだが、もし二人がお金持ちであれば、厳重注意ぐらいで済んだことだろう。
しかし、二人は、仕事もせずに遊び暮らしていたと咎められ、1年間も牢獄に入れられることになってしまった。
川を挟んだ男性用の牢獄と女性用の牢獄に、それぞれ入れられたベガとアルタイール。
ある日二人は気付いた。
白い鳩が何羽か、格子のついた窓に訪れることに。
それは、二つの牢獄を行き来している伝書鳩だった。
二人は、鳩に思いを託して、1年間の牢獄暮らしを乗り切ったのである。