タイチ、ケンジ、マミ、カナコ、アンナの5人組は、とある島の海に面したホテルに泊まりがけの旅行に来ていた。
翌朝、浜辺で血まみれのマミの死体が見つかった。
刺された跡があり、髪が濡れている。凶器は恐らくどこか見つからないところへ捨てられているだろう。
近くにはダイイングメッセージがあり、「イマスグニゲロ」と書かれてあった。
調べを進めると、殺害時刻は昨夜23時頃であると推定された。
ホテルから外に出るには玄関から出るか1階にある露天風呂の柵を越えるしかない。
それ以外の出入り口には全て鍵がかけられている。
また、昨夜は彼等5人を除いてホテルに宿泊していた人たち全員が部屋から出ていないことが判明した。そのため、彼等5人のうちマミを除いたタイチ、ケンジ、カナコ、アンナの4人が容疑者である。彼等に関する情報は以下。
タイチ:空手部男子。道場の息子。筋肉質で大きな体をしている。黒髪で短髪。力は強いが頭は弱い。散歩が好きで毎朝欠かさず散歩している。
ケンジ:帰宅部男子。背が高い。長い茶髪で女性的な見た目をしており。非常に頭がよいが非力。理系科目が得意。
カナコ:水泳部女子。背が低い。ショートヘアの茶髪でボーイッシュな見た目をしている。水泳が得意で水中で10分間息を止めることができる。
アンナ:手芸部女子。小柄。イギリス人とのハーフ。金髪のロングヘア。普段は眼鏡をしている。眼鏡がないとほとんど何も見えないほど目が悪い。手先が非常に器用で趣味は裁縫。
マミ(被害者):陸上部。モデルをしている。長い黒髪。容姿端麗でスタイルがよく背が高い。短距離走は得意だが長距離走は苦手。毎日ランニングをして練習している。
調べによると、前日の22時時点では5人全員がそれぞれの部屋にいたことが分かっている。
そこで、容疑者の4人を別々に集めて22時以降から23時までの行動および怪しい人物がいなかったか尋ねたところ、下記のような回答があった。
タイチ:「俺は二度目の風呂に入ってた。風呂場には俺以外誰もいなかったはずだ。そういや風呂上がりに一瞬外を見たときに玄関から浜辺の方へ出て行く人影が見えたぜ。すごい勢いで走っていたし、一瞬だったからあんまり覚えてないけど髪は長かったな。んで金髪ではなかったはず。何となく女性っぽかったかも?その後すぐに部屋に戻ったぞ。」
ケンジ:「僕は寝付けなくて一度夜風に当たりに外に出ようと思ったんだけど、寒くてやめちゃったんだ。自分の部屋へ戻る途中、廊下の角で一瞬誰かとすれ違ってそのまま玄関の方へ走って行ったのを見たよ。髪は長髪ではなかったな。その後すぐに部屋に戻ったよ。」
カナコ:「私は~飲み物を買いに自販機に行ったんだけど~、そのとき~、玄関の方に誰かいたのを一瞬だけ見たんだよね~。黒髪ではなかったよ~。まあその後すぐに部屋戻ったけどね~☆ 。」
アンナ「私も昨夜はちょっとだけ二度目のお風呂に入っていました。中には誰もいませんでした。風呂上がりにチラっと柵を見たら外に誰かいました。柵越しで裸眼なのでぼんやりとした人影しか見えなかったのですが背が低かったと思います。その後すぐに部屋に戻りました。」
四人のうち犯人以外は真実について語っているとすると、一体誰が犯人だろう?理由も合わせて答えてください。
転載元: 「イマスグニゲロ」 作者: ブラックホール (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/6900
答え:タイチ以外の三人。
マミの本名は「真実」。問題文最後の一文は「犯人以外は「真実(被害者)」について語っている」と解釈する。よって、「真実」以外の特徴を証言している人が犯人である。
ケンジ:長髪ではないと言っているので「真実」ではない。よって犯人。
カナコ:黒髪ではないと言っているので「真実」ではない。よって犯人。
アンナ:背が低いと言っているので「真実」ではない。よって犯人。
タイチ:消去法で唯一犯人ではないことが分かる。また、証言も「真実」の特徴と矛盾しない。タイチが一瞬見たのは犯人たちに追われて全速力で走るマミの姿。
マミは夜に日課のランニングをしようとしたタイミングでナイフを持ったタイチ、カナコ、アンナの3人に突然襲われた。
すんでのところでナイフをかわしたマミはそのまま外へ逃げだした。
懸命に逃げるマミだが、長距離が苦手なマミは途中で追いつかれて刺されてしまった。
その際、夜の暗闇で犯人たちから見えないことを利用して「イマスグニゲロ」と砂浜にメッセージを残して力尽きた。マミは翌朝に日課の散歩でいち早く自分のメッセージに気づくであろうタイチに対して「(他の三人は危険だから)今すぐ逃げろ」と伝えていたのだ。