死を予言する娘

娘は父をまじまじと見ると、「パパ、いつか車にひかれちゃうんじゃない？」と心配そうに言った。なぜだろう？

アメリカ国籍の父と日本国籍の母をもつ、マキ・カリフォルニア(3歳)。現在日本在住。
すくすくと成長中のマキは、先日母から「青のときは進んでもいいけど、赤のときは止まらないとだめよ。車にひかれちゃうから」と信号機の色の意味を教えられた。

別の日、マキは父と外出した。交差点に差し掛かったとき、信号は赤だった。
「パパ、赤だから止まらないとだめなんだよ？」
「ママから聞いたのかい？よく覚えてるなぁ。偉いぞマキ」
そんな風に褒め、屈んで視線を合わせてくる父。マキも父の顔を見る。するとふとあることに気づいた。
ーパパの目は青い。パパはもしかして全部青色に見えるんじゃ？信号の色も、赤なのに青に見えていたら・・・？

「パパ、いつか車にひかれちゃうんじゃない？マキ、そんなの嫌だよ。パパが赤色がわからなくてもマキが教えてあげるよ」

解説:目の色が青い父を見て、信号機の色がすべて青色に見えるのではないかと思ったから