梅の花の季節のこと。カメオは間違って斧で梅の木を切ってしまった。
カメオは黙っていればバレないと思ったが、父にはすぐに気付かれ、ひどく怒られた。
桜の花の季節のこと。カメオは間違って斧で桜の木を切ってしまった。
次の日、カメオは、
「お父さん、僕が斧で桜の木を切りました」
と父に謝った。
父は「ああそうだったのか。仕方ないよ。」と許してくれた。
さて、紅葉の季節のこと。カメオは間違って斧でカエデの木を切ってしまった。
カメオは切ったことを黙っていた。
しかし父には気付かれず、怒られることもなかった。
どうしてだろうか?
*アメミヤさんから頂いたお題「『お父さん、僕が斧で桜の木を切りました』」、つのめさんから頂いたお題「梅の花」です。アメミヤさん、つのめさん、どうもありがとうございました。
*少しだけ要知識要素があります。
転載元: 「Any way the wind blows...」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/6074
カメオの父は目が見えない。その分、嗅覚などの他の感覚は非常に優れている。
梅の木は花の季節になれば、強く花の香りが立つ。なので、木がなくなったらすぐに気付くのだ。しかも、その香りを楽しみにしていたので、カメオを強く怒った。
一方、桜の花はそれほど香りが立たない。なので、花がなくなったら大変目立つはずだが、そのことには気付かなかった。
そのため、切ってしまったことに気付かなかったし、自分には花が見えないので、怒ることもなかった。
カエデについても、紅葉したからと言って強く香り立つわけではないし、その美しい色彩も父には見えない。
なので、カメオが黙っていても、気付かなかったし、怒ることもなかったのである。