ナイアールという砂漠の国がある。女王・アイリスのもと、この国はオアシスを中心に栄えたが、最近では雨が全く降らないため、オアシス消滅の危機があった。
ナイアールではかつて雨乞いの儀式として生け贄を捧げていたが、その風習を復活させてはどうかという意見もあった。
心優しい女王は、そんな方法を取らなくてもよいように模索した。
その結果、女王は多くの人々の虐殺を招いた悪政の女王として知られるようになった。どうして?
*メラさんに問題文のご提供をいただきました。ありがとうございます!!
転載元: 「This desert flower」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/5867
「アイリス女王はそもそもオアシスに頼る経済システムに問題があると考えた。まだオアシスが現役のうちにインフラを整備し、通商にかかる様々な規制を緩和し、貿易を中心とした政策を推進するようになった。以後ナイアールは一大商業ハブとして栄えるようになった。しかし、アイリスの治世も晩年になると、それを悪用する商人も発生した。さらに、その後アイリスの次の代のマネロス3世の時代になると、規制の緩さを悪用した武器商人が跋扈するようになった。その結果、ナイアールは、死の商人の巣窟として知られるようになり、それが第3次ポレラック大戦の民族大虐殺につながったのである。」
世界史担当・猫山先生:「…ということで、ナイアールといえば、マネロス3世=死の商人の元締、と思う人が多いが、その元々は強引ともいえる大々的な経済改革だったんだ。それを始めたのが、アイリス女王。アイリス女王がいなければ、死の商人も来なかった。いわばアイリス女王が虐殺の根元だな。難関大では結構出るから、マネロス3世と合わせて覚えとけよ!」
受験生:(よし、虐殺のアイリスだな、虐殺のアイリス…)
新たな歴史的文献の発見によりアイリスの善政が再評価されるには、その後20年を待たなければいけなかった。
簡易解説:もともとオアシスに頼らない(=問題文のそんな方法、とは生贄のことではなく、オアシスのような不確定な自然状況に頼る国家経済のこと)経済政策を推進したアイリス女王だったが、のちにナイアールは武器商人の国として栄えた。後世の受験生には、戦争での大量虐殺につながった側面だけが伝えられ、元々の心優しい善意は伝わらなかった。(虐殺をした理由、ではなく、虐殺をしたと知られている理由を尋ねている。)
さらに簡易な解説:受験世界史とはそういうものだから。(虐殺をした理由、ではなく、虐殺をしたと知られている理由を尋ねている。)