某匿名掲示板に次のような書き込みが投稿された。
初めまして。今日は悩み事があってここに来ました。
実は今、クラスメイトのほとんど全員からイジメられています。
イジメが始まる前日まではみんなと仲良くしていたのに、
どうして突然こんなことになったのか思い当たる理由がありません。
相談に乗っていただくことはできないでしょうか?
その掲示板の常連であるあなたたちは、面白半分に上記の悩み相談に乗ることにした。
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***ルール・注意事項***
a.スレ主の悩みを解決することができればゲームクリア!
b.この匿名掲示板では書き込み回数に制限があります。そのため、質問数100に達した時点でスレッドが過去ログ倉庫に格納されてしまいます。それまでにゲームをクリアしましょう。
c.同様に2021年4月18日 22時までにクリアできなかった場合、他の新規スレッドに流されてしまい過去ログ倉庫に格納されてしまいます。
d.ノーマルエンドとハッピーエンドがあります。過去ログ倉庫に格納された場合のみバッドエンドです。
e.その他、ルール質問はチャット欄でお受けします。追加ルールがあればヒントやメモ欄でお知らせします。
転載元: 「私は、強くなる。」 作者: エルナト (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/5752
カメコはそっとブラウザを閉じると、ふうと小さく息を吐いた。
「今まで、黙っててごめんなさい」
返事はない。静かに、彼女の横で誰かが首を横に振っている気配だけを感じた。
姿が見えないことにギョッとしたが、すぐに状況を理解する。
もうタイムリミットなのだろう。
彼は帰るべきところに帰らなければならないのだ。
「ありがとう」
カメコがそうお礼を言うと、彼は微笑んでくれたような気がした。
どうやらもう言葉を交わすことはできないようだ。
次第に薄れていく彼の姿を見送る。
段々と視界が滲み、自分が泣いていることに気が付いた。
本当はもっと早くからこうするべきだったんだ。
ただ、私が離れたくなかったから。
それだけのために彼が旅立つことを邪魔してしまっていたのだ。
さようなら。
そして、ずっと一緒にいてくれてありがとう。
これからまた、誰からも相手にしてもらえない日々が始まると思うと嫌気が差した。
でも、大丈夫。前を向いて歩いていくから。
私は、強くなる。
そう、誓います。
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ただもうしばらくの間だけ。
今日が終わるまでの間だけ。
あなたに甘えさせてください。
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もう二度と伝えることのできない私の想いは、今、零れ落ちてこの頬を伝っています。
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心にポッカリと空いた穴が、私の涙で埋まるまで──
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どうか、弱い私を許してください。
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・「エルナト」が既に死んでいてみんなから無視されていることを指摘する。
(このまま終了した場合、ノーマルエンド)
↓
・死んでいるのにどうやってこの書き込みをしているのかを指摘する。
↓
・書き込みをしているマイアが何故、エルナトに死んでいることを伝えないのかを指摘する。
↓
・マイア自身がイジメられており、唯一話し相手になってくれるエルナトと離れたくなかったことを確認する。
↓
・マイアにアドバイスする(アドバイスの内容には特に条件は設けない)。
(ここまできてトゥルーエンド)
補足(設定)
*ウミガメ高校 3年B組(担任は○八先生ではない)
*日付は2021/4/18で固定。クラス替えで今のクラスになったばかり。
*始業式翌日から無視が始まった。この日、彼の机の上には花瓶が置かれていて、エルナトはタチの悪いイジメだと思っている。
*エルナトの死因は交通事故、エルナトは事故のショックで覚えていない。マイアは担任から聞いて死因を知っている。
*エルナトの霊は事故のせいで無惨な姿、なんてことはなく普通の姿。
*マイアは1年時にエルナトと同じクラス、2年時にイジメを受けていた。
*クラス替え直後でエルナトはマイアがイジメられていたことを知らない。
*2年の時にたまたますれ違った時、普通に接してくれたエルナトにマイアは好意を抱いていた。
*何故無視されるのか真剣に悩むエルナトと、彼と離れたくないが故に本当のことを言えないマイア。
*ふと、二人だけでは良い考えが浮かばないから、いっそのことネットで助けを乞うてみたらどうかと言うと、彼は本気で、藁をもすがる思いでその提案に乗った。
*マイア自身は、所詮ネットの人たちは面白がるだけで解決には至らないだろうと考え、彼に真実を突き付ける事はないと信じていた(実際にはその考えは裏切られる)。
*このゲームのクリア条件はルールaに書かれている通り「スレ主」の悩みを解決することです。スレを立てたのは、エルナトではなくマイアであることに注意。
皆様、ご無沙汰しております。
亀夫君問題がというよりは、出題が久々で色々とやらかしているかもしれません。
正直今回使用したトリック(無視されているのは死んだから)自体はありがちなもので、ありがちが故にトゥルーエンド条件部分の違和感(死んだのに何故書き込める?書き込んでいるマイアは何故黙っている?)には気付きにくいかもしれません。
そういう意味ではあまり良いトリックでは無いのかも。
トゥルーエンドにうまく気付いて貰えるか、そこはちょっと気掛かりな点で出題しましたので、結果は終わってからのお楽しみ。
皆さん、ご参加本当にありがとうございました。
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結論:亀夫君問題の出題は、やっぱり楽しい。
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なんといっても参加者の方々と一つの物語を作り上げるというのが楽しいですね。
それでは皆さん、また次回。