ここは剣と魔法の世界、カメルンピア。
勇者カメルスは魔王を倒すため、魔法使いや僧侶、戦士を仲間に連れて旅立った。
長い旅路の末、ついには恐ろしい魔王を討った。
そんな最強パーティーは、ある日最弱のスライム相手に全滅した。一体どうして?
転載元: 「 【旅立ちますか?リサイクル】そして伝説へ・・・」 作者: 名無し編集者 (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/5662
かつて最恐の魔王を倒した最強のパーティーであるが、70年以上が経ち、さすがに「時間」から受け続けたダメージの蓄積から逃れることはできなくなっていた。
「老化」という名の、若い頃は気にも留めなかった微細な呪いは、確実に彼らを追い詰めていた。
ある日、パーティーはスライムに襲われた。
彼らが若かった頃は近くに寄る事すらなかった最弱モンスターが、勢いこんで向かってきたのだ。
魔物は本能に忠実で、決して勝てない闘いをすることはない。
スライムが向かってきたということは、スライムと互角程度の実力しか無いと認定されたことを意味する。
何と言う屈辱かと怒りに燃えた勇者たち一行。
しかしそれは、冷静さを失い、混乱状態になったという意味でもある。
勇者のパーティは、全員戦闘不能となった。
ある意味自滅と言って良い。
問題なのはスライムの方だ。
老化でステータスが低下していたとはいえ、超高レベルのパーティーを単独で倒したのだから、一気に大量の経験値を得てレベルアップと進化を果たし、後に魔王となって世界を震撼させるという未来が確定してしまった。
なお、パーティーは全員「復活の呪文」で生き返ったが、この度の失敗の責任を取って素直に隠居を決意したとか。