ぼくのかんがえたさいきょうのろんぶん

未だ全貌が解明されていない古代国家「シンディ王国」

カメオ博士は、学会でシンディ王国に関する論文を発表した。
王家の由来、生活様式、歴史年表など多岐に渡って考察されており、
真実性が認められれば、シンディ王国の全てが解明されるほどの内容だった。

検証の結果、論文の内容は、これまで発見された史料と明らかに矛盾しており、
真実性はゼロ、全て捏造だと結論付けられた。

そしてカメオ博士は、この論文に至る研究成果を表彰された。
何故?

カメオ博士が、シンディ王国遺跡での調査を終えた帰り道。

遺跡から少し離れた山岳地帯に、王国とは違う外観の住居を見つけた。
調査を進めていくと、山岳地帯には似たような数多くの建造物が点在しており、
それらが、今まで全く知られていなかった新たな文明「スイヘイ帝国」の物だと判明した。

調査の中でカメオ博士が特に興味を抱いたのは、
帝国の考古学者がまとめたと思われる「シンディ王国はんえいとめつぼうのれきし」だ。
根拠も論理も破綻だらけだったが、同業者だけにわかる本物の熱意がそこにはあった。

同じ時代に生まれていたら、この人とはいい友人になれただろうな。
感慨にふけりながら、カメオ博士は今日も調査を続けている。