この猫、何故横っ腹に文字が?
その謎が解けたとき、この人は本当はそこまで悪い人なのではないのかと考えた。
どういうことか。
*Q3 おっさんのオマージュです。
転載元: 「【猫ますか?オマージュ】Every day is like survival」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/5290
加齢と共に猫の見分けがつかなくなった飼い主が、たくさん飼っている黒猫のうちどの子に餌をやったかなどの目印にするため。
当シンディ市は「人間にも動物にも優しい街」を目指しており、動物虐待には厳しい罰則を与える条例が制定されている。市役所の職員である私は、虐待調査班のメンバーだ。虐待と言っても、直接暴力を振るうような事案は少なくて、通報される大半が高齢者による多頭飼育崩壊だ。今日もその調査に行ったところ、高齢女性の部屋に25匹ほどの猫が飼われていた。それも黒猫ばかり。よくよく見るとお腹には落書きのように字が書かれている。ひどい虐待だ。調査班で引き取り、動物病院に搬送した。
「先生、この子たちは健康ですか?」
「ええ。すべての猫が健康で、栄養状態も良好でした。毎年の予防注射もきちんと受けていますし、避妊手術も済ませています。お腹の文字が気になったので材質を調べましたが、毛を剃ってあるだけで、猫に痛みを与えているわけではありません。毛が伸びれば元に戻るでしょう。」
「どういうことでしょうか?」
「飼育者に尋ねたところ、『黒猫は不吉だと言われて捨てられることが多い。かわいそうだから拾って育てている。でも、黒猫ばかりなので、年と共にだんだん区別がつかなくなってきた。どの子が餌を食べ、薬を飲んだか分からないので、区別するために、アルファベットの印をつけている。』とのことでした。思いのほかちゃんと飼育していたようですね。」
言われてみれば、家に入った時にそれなりに動物臭はしたものの、これまでの多頭飼家庭のような不潔感はなかった。彼女なりに一生懸命世話はしていたのだろうし、これを虐待と言ってしまっていいのか正直よくわからない。しかし、明らかにこの数は彼女の手に負える範囲を超えているし、彼女自身の年齢を考えるとこの先不安もある。どうしていいか答えが見つからず、私は考え込んでしまった。