昔、ある所にカメオという農夫がいた。彼の畑は決して大きくないが、彼の丹念さによって、作物は非常に豊かであった。
周囲の人々はカメオを偉大な農夫だと賞賛するのであった。
そんなカメオも歳をとった。もう家庭を守っていける時間はそう長くはなかった。カメオは遺書を書くことにした。
『愛する妻カメコへ、私の財産を全て残します。愛する息子ウミオへ、財産は一切残しません。代わりに、大事な宝を隠してあります。』
なぜウミオには一切財産を残さなかったのだろうか?
転載元: 「農夫の息子」 作者: Aspil (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/528
『要約解説』
楽して暮らしたいという怠惰な息子に宝を隠したと嘘をついて息子に畑を掘り返させて耕させる。ニートの息子は金がなくなった頃には生活のために畑に種をまくしかなくなる。
こんな感じで上手く農家を継がせるため。
『長文解説』
カメオの息子ウミオは非常に怠け者だった。泥だらけで大変な農家の仕事などには一切興味がなかった。
カメオは項垂れた。この怠惰な息子は俺が死んだ後に家庭を守っていくことは出来るのだろうか…?
カメオは何かいい考えはないかと考えた。そしてあることを思いついた。
カメオの死後、弁護士が妻のカメコと息子のウミオに遺書を読み上げた。
『愛する妻カメコへ、私の財産を全て残します。愛する息子ウミオへ、財産は一切残しません。代わりに、大事な宝を隠してあります。』
ウミオは激怒し、困惑した。
ウミオは弁護士に宝の在り処を聞いた。しかし、弁護士は宝の場所については一切聞かされていなかった。
その年の春、ウミオは父が生前育ててあった畑の作物を収穫してから宝探しを始めた。父は生前お気に入りだった場所に宝を隠したに違いないと思った。
ウミオは父の畑をそこら中掘り返した。宝を見つけて仕事をせずに暮らしていくために。
そして…ついに宝は見つからなかった。
秋になった。ウミオには一切金がなかった。ウミオは生活していくために畑に作物を植えるしかなかった。既に畑は掘り返してあったので、種をまくのは簡単だった。もちろん次の春になったら宝を見つけ出すつもりだった。
そして、翌年の春になった。
ウミオは父が耕さなかった場所すら掘り返した。だが、結局宝は見つからなかった。
ウミオは同じことを5年繰り返した。春になったら作物を収穫して宝を探し、秋になったら作物を植えた。
そしてウミオは悟った。
「ここには宝なんてない。父さんは本当に馬鹿げてるよ。でも結局俺は農夫にならなきゃいけない運命なんだろうな。」
ウミオはいつの間にか広大な土地をもつ大農家となっていた。
そして周囲の人々は賞賛した。
「カメオさんは息子を立派な農夫に育て上げたねぇ。」