「一ふじ、二たか、三なすび」と言われるように、縁起が良いなすびを食べる初夢を見たシン太郎。
初めは浮かれていた彼であったが、カメゾウが遭難した船で釣り竿を垂らしていたと自身の初夢について嬉しそうに語り始めた時、シン太郎が見た初夢は悪夢だったかもしれないと考えた。
一体どういうことだろうか。
※某所で与えられた「悪夢」「三なすび」「釣り竿」の3ワードを用いて作った問題です。
転載元: 「【大晦日チャレンジ】最低な初夢」 作者: エルナト (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/5277
新年最初の対局。棋士のシン太郎は自信に満ち溢れていた。
何故なら今年は初夢でなすびを食べる夢を見たからだ。
縁起の良いもの第三位、なすび。幸先が良い。これなら今年こそ、タイトルが取れる。
その時は、そう思っていた。
対戦相手のカメゾウが、何故か釣り竿を持って現れた。
「カメゾウ先生、その釣り竿は……?」
「これかい?いやね、今日、良い初夢をみたんだ」
ニヤニヤとしながら、カメゾウが言う。
シン太郎はゴクリと喉を鳴らした。
「どんな、夢でしょうか?」
「海で遭難してね、お腹を空かせた私は、船から釣り竿を垂らしていたんだ」
カメゾウは釣りをする仕草をして見せた後、遠くの空の方を眺める素振りをしてみせた。
そしてそれ以上を語らず、先に対局室へと入っていく。
シン太郎は首を傾げた。
とても幸せな夢には思えない。
大きな魚でも釣った?いや、そうではない。
大事な対局の日、夢で見た釣り竿を持ってきたということは、よほど縁起が良い夢だったのだ。
でもどういうことだ? 何故釣り竿を?
それなら、今朝も昼ごはんにもなすびを食べて出てきた自分の方がよっぽど──
シン太郎はハッとした。
一ふじ、二たか、三なすび。
縁起の良い順番だ。
もしかして彼は、その海で富士山でも見たのではないか。
そうならば先程空を見上げるような動作を見せたのも頷ける。
シン太郎の海から見える富士山の有名な絵が頭の中に浮かび上がった。
そして、そんな情景の中で、船から釣り竿を垂らすカメゾウの姿を想像した。
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──だめだ。
「なすび」では「ふじ」には勝てない。
──あの夢は、悪夢だったかもしれないな。
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シン太郎は戦う前から既に負けを覚悟した。
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***要約***
試合の対戦相手であるカメゾウが富士山の見える海で釣りをした夢でも見たのではないかと考え、縁起の良さで「なすび」では「ふじ」に勝てないと考えたから。
***special thanks***
悪夢……りんねさん
三なすび……天童魔子さん
釣り竿……はやてさん
***最後に***
皆さんも正月チャレンジとして某所でお題を募ってみては如何でしょうか?
それではみなさん、良いお年を!←年越しちゃいましたw
明けましておめでとうございます!