「王様ー、王様ー」
料理長の娘が王を探している。
食事の席の準備が整ったのだ。
しかし王の姿が見当たらない。
困った娘は庭師の男を探し始めた。
庭師の男は王の所在など知らず、娘もそのことをわかっている。
それなのになぜ娘は庭師の男を探すのだろうか?
転載元: 「王と庭師と料理長の娘」 作者: ダニー (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/404
地元では有名なイタリアンのお店。
平日でも待ち時間が発生する人気のお店だ。
キミコはその店の料理長の娘でここでアルバイトをしている。
今日も盛況なこの店ではキミコが作成した「順番待ち表」にズラッとお客様の名前が記載されている。
食事を終えたお客様のテーブルを片付けたキミコは次に待っているお客様の名前を呼んだ。
(王さん、3名様ね)
「王様ー、王様ー」
今呼ばれている王貞治(77)は順番待ち表に自分の名前を記載したものの
長嶋茂雄(81)の急な呼び出しに応じ、店を出ていってしまっていたのだ。
(王さんは、いない、のかな?)
困り顔のキミコ。少し逡巡した後、順番待ち表を見て次に記載されているお客様の名前を呼び始めた。
「離小島様ー、離小島様ー」
王の所在を離小島に聞くためではない。
離小島と王は知り合いでもなんでもないことは知っている。
王がいないので次の順番待ちのお客様である離小島を呼んだだけである。
ちなみに離小島國勝(38)の職業は庭師だ。
しかしそんなことはキミコは知らないし、どうでもいーことである。