八月十日午後十九時四十四分四十四秒。
海亀川の岸に座っている人の中で、しかめっ面をしている人を見つめていると、その人の顔が将来結婚する人の顔になるらしい。
ある夏の日。なぜこんな噂が話されたのか。
転載元: 「夏」 作者: Duffy (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/3792
小4の夏休み、そんな話を聞いた。「それって海亀川花火大会の時じゃんかよ!」「そうそう。ユウト、本当か行ってみようよ!気になるじゃん!」そうはしゃいでいたユイカは、綺麗な浴衣を着て待ち合わせにやってきた。時刻は十九時四十分。急いでしかめっ面の人を…見つかった。そのまま見つめ続けて四分。何も変化はない。「なーんだ、やっぱり嘘だったのかなぁ…」恥ずかしそうに、私たちは見つめ合って笑った。「そうだ、もうすぐ花火、上がるみたいだよ。ユウト、一緒に見ようよ!」煌々した目で彼女は言った。
ドーン。ドーン。美しい花火の数々。横を見ると…花火のせいか、浴衣のせいか。いつもよりユイカが美しく見えた。
自分の腕時計が1分早まっていたのを気づいた時と、花火に紛れてユイカから告白の言葉を聞いたときは、ほぼ同時だった。
【解答】好きな人を花火大会に誘う口実にするため。