午後7時35分 丁度をお知らせします。

カメオは愛してやまないカメコに高級ブランド・ラテラルの腕時計をプレゼントした。

決して裕福ではないカメオは給料半年分をこの時計に費やしたが、カメコは喜んでくれたようで一安心していた。

…だが、その1週間後にカメオはカメコを殺害してしまった。

カメコに別れを告げられたわけではないのだが、なぜだろう？

実はこの腕時計には小型カメラに盗聴器、さらにはGPSが仕込んであり、カメコを四六時中監視しようとしていた。
これだけの仕掛けを搭載するのにカメオは給料を半年分も費やしたが、カメコを自分のものに出来るならそんなことはどうでもいいと思っていた。

だが、1週間経ってもカメラの映像は真っ黒だし、GPSもほとんど動いていない。カメコは腕時計の箱を開けていなかったのだ。カメオに大して興味がなかったのか、他の男がいるのかは定かではないが…

「どうして！？カメコは僕と一緒に幸せになるんじゃなかったのか…？ ならもういい、カメコを殺して僕も死のう。あの世でずーっと一緒だからね♡♡」

そう呟いた数時間後には、既に男の右手に血の付いた刃物が握られていた。欲望に塗れた腕時計は虚しく、箱の中で時を刻んでいた。