ある山で狼の群が雄叫びをあげた。
それは非常に大きく、麓の村まで届いた。
それを、少年が聞いたのだった。
少年はそのことを村の大人たちに伝えたのだが、
全員が「今、狼が雄叫びをあげるわけないだろ」
と言ってとりあってくれなかった。
一体なぜ?
転載元: 「【狼ますか?リサイクル】オ小カミオノ五イ」 作者: つのめ (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/2637
~「いいか、よく聞きなさい。
森には子供の肉が好きな怖い狼がいて、子供が森に入ると食べられてしまうんだぞ。」~
子供が森に入り込まぬように創り話で子供を脅していたその村では、猟師が定期的に山へ入っては狼の遠吠えを真似て、作り話に真実味を出していた。
ある日、村の子供が狼の遠吠えを聞いたと言い出して大人達は顔を合わせて笑い合う、猟師がこの場に居るのだから狼の遠吠えが聞こえるはずがない、さっき聞こえた遠吠えもきっと風の唸る音と聞き間違えたのだ。
なんたって今まで山に、狼が居た事など一度も"なかった"のだから。