暴君と化したタウルス帝国国王・アルデバランに立ち向かうべくクーデターを引き起こした反政府組織・シンディの面々であるあなたたち。
しかし作戦は失敗に終わり多くの死者を出し、シンディの幹部であったエルナトは牢獄に入れられてしまった。
一方で、なんとか逃げ延びたあなたたちは、残り少ない人員で再度クーデターを起こすべく立ち上がった。
極秘ルートで入手した「看守服」を身にまといヒアデス監獄に侵入したあなたたちは、捉えられたエルナトを見つけ出し、そして再び反旗を翻す──
***ルール***
a.みんなで力を合わせて、捉えられたエルナトを助け出すことができればゲームクリア!
b.皆さんは質問欄を通じて、監獄内を各個人で探索(例.部屋Aを調べます、など)し、手に入れた情報を元に極秘無線(雑談チャット)を使って皆さんと相談しながらクリアを目指してください。
※なお、エルナトもこっそり持ち込んだ無線により皆様と会話ができます。
え?持ち込めるものかって? そこんとこは仕様上勘弁……
※但し、エルナトとのコミュニケーションを取る時はチャット欄ではなく質問欄にて質問をしてください。
稀に、ヒント欄を用いてエルナトから会話を試みられることがあります。
c.ゲームをクリアした時点で参加者(質問した人)全員に正解を1つずつ差し上げます。
ゲームオーバーとなった場合は、良質がつく行動をより多く行った参加者1〜数名に正解を1つずつ差し上げます。
d.ストーリー進行など重要なことは全てヒント欄に記載します。
e.その他、ルール質問はチャット欄または質問欄でお受けします。追加ルールがあればヒントやメモ欄でお知らせします。
***注意事項***
注意1
囚人は一定時間が経過すると処刑されてしまいます。
よって制限時間はエルナト処刑日の 23時頃までとします。
また、質問制限は150回までとします。
150回目の質問でクリアできなかった場合、エルナト処刑日までストーリーがスキップし、ゲームオーバーとなります。
注意2
この問題では、参加者の皆さんが命を落としてしまうことがあります。
エルナトを除き3人以上が命を落とした時点でゲームオーバーになります。
なお、プレーヤーのみなさんが牢獄に入れられることはありません。
※命を落としても幽霊となって探索続行可能としますが、以前の問題と異なり壁をすり抜けたり死を恐れず行動することなどはできず(もし死んだ人が死ぬ行動を取った場合、再度死亡したものとしてカウントします)、通常の生きた人間と能力は変わらないものとします。
注意3
本問題では一部英語を使用した部分があるため、その意味を調べるなど検索は自由とします。
注意4
この問題のエンディングとしては、「ゲームオーバー(バッドエンド)」「ノーマルエンド」「トゥルーエンド」の3パターンがあります。ノーマル、トゥルーエンドともにゲームクリアとみなします。
***監獄マップ***
救出者は下記のA〜Zの部屋を調べることができます。
但し、鍵のかかった部屋は鍵がないと入ることができません。
1階 2階 ■■■■■■ ■■■■■■ ■ABCD■ ■FGHI■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■EEE□■ ■JKL□■ ■■■■■■ ■■■■■■ |
□:階段 A〜Z:部屋記号 (部屋Eは他より広く3文字分で1部屋を示します) |
3階 4階 ■■■■■■ ■■■■■■ ■MNOP■ ■TUVW■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■QRS□■ ■XYZ□■ ■■■■■■ ■■■■■■ |
転載元: 「ヒアデスからタラゼドへ」 作者: エルナト (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/2255
イベント解説は長くなるためメモ帳に移動させています。下記にはストーリー部分のみ掲載していますが、時間に余裕がある方はイベント解説にザッと目を通して頂いてから下記の物語を読むことを推奨します。
—
ヒアデスからタラゼドへ
-another story-
*1983年9月23日
私がこの地、ヒアデスに訪れたのは、まだ大国ゼウスが平穏だった頃。数年前から国内の貧富の差、身分や宗教の違いによる差別などから内紛が勃発。各地で独立運動が起こった結果、タウルス帝国、シグナス共和国、アクィーラ連邦の三ヶ国に分裂した。
私の故郷はその中でもひときわ貧しい地域の多いアクィーラ連邦に属することとなったのだが、貧しい村で生まれ育った私は、15歳の時より学校にも行かずヒアデスという今のタウルス帝国の首都である豊かな街まで出稼ぎに来ており、国が分裂したことによって私は祖国へ帰ることができなくなってしまった。
そうなった時に、真っ先に浮かんだのは、愛するプレイオネのことである。
私が村を離れる時、私は彼女に裕福になって必ず帰ってくると約束した。だからもし帰ってきた時は──。
その続きの言葉を、当時の私は伝えることができなかった。
彼女は今、どうしているだろう。元気でいてくれたら良いのだが。
*1983年11月15日
アトラスがこの地を去ってから10年もの月日が経った。この10年の間に情勢は変化し、内紛続きのこの国は3つの国に分かれてしまった。彼は別れの日、私に必ず帰ってくると約束してくれた。そして帰ってきた時には──と何かを私に伝えようとして、やめた。
私はそんな彼の言葉の続きを聞くために、意を決して故郷を離れようと思う。国が分断され今もなお生活は混沌としている。今ならば、この混乱に乗じて国境を超えることもできるだろう。見つかれば、命はないかもしれない。それでも私は、25年住み続けたタラゼドを離れ彼に会いに行くことに決めた。
*1984年3月21日
この国は豊かである。食べることに困ることもなく、仕事にも困らない。しかしその一方で、犯罪も多く存在する。私の住む家の近くにはヒアデス監獄塔という巨大な施設があり、多くの囚人が収容されているという。今となっては私は異国人、些細なことで捕まらないよう気をつけなければならない。国が分かれてから、早くも半年。
情勢を見るに未だ故郷アクィーラに帰ることはできそうにもない。プレイオネは元気だろうか。それだけが、心配だ。
*1985年6月1日
私が無事に国境を超えることができてから、早くも1年半が過ぎ、ようやく平穏な日々が増えてきた。とはいえ今もまだ国家間での戦争は続いているという。
だがここヒアデスはとても平和だ。行き交う人々の表情も明るい。
そんな穏やかな地、ヒアデスがこんなにも人が多い場所だとは知らなかった。
これほどにも大勢の人たちの中から彼を探さなければならないなんて。
とてもではないが、見つけられるのかどうか不安になってしまう。
そして、生きていくためには仕事が必要だ。
彼と会うためなら、どんな汚れた仕事だってしよう。
私はあなたを愛している。
*1988年5月15日
今日、街外れを歩いていると、一人の女性とすれ違った。
私は目を疑った。どうして君がここに──これは夢に違いない。
私は、自分の右頬を思いっきり引っ叩いた。
たまらないくらい痛かった。どうやら夢ではないらしい。
彼女──プレイオネは、そんな私を見て笑う。
こんなにも汚れた服を着て、どれだけ苦悩の日々を送っていたのだろう。
私は彼女を抱きしめた。
これからは、二人でともに暮らそう。
彼女は目に涙を浮かべながら、頷いた。
*1988年7月3日
私達の故郷、アクィーラ連邦のタラゼドは黒水晶の産出で有名な地だった。
感動の再会を果たした彼の父は黒水晶を駆使した石細工職人で、その血を受け継ぐ彼も石細工の職人としてここヒアデスにて立派に生計を立てていた。
これまででは考えられないような、豊かな生活。
こんなに幸せな思いをしても良いのだろうか?
そして──アトラスにはまだ話せていないが、どうやらお腹の中に子を身ごもったらしい。
このことを伝えたら、彼は喜んでくれるだろうか。
期待に夢を膨らませながら、私は夕食の買い物のために家を出た。
*1988年7月4日
どうしたのだろう。昨日買い物に出かけてから、プレイオネが帰ってこない。
私に愛想をつかせて出ていってしまったのだろうか?
昨日の朝まであんなにも幸せそうに笑っていたのに。
きっと、方向音痴の彼女のこと、道に迷ってしまったんだ。
もう少し待てば、きっと彼女は帰ってくる。そうに決まっている。
あぁ、お腹が空いたな。今日のご飯はなんだろう。
彼女の作るウミガメのスープは、たまらなく美味いんだ。
*1988年8月15日
買い物にでかけたあの日、私はこの国の国境警備隊に捉えられた。アクィーラ連邦から行方不明になっていたことから不法入国者として指名手配されていたらしく、捕まった私は長らく留置所に入れられた。そして今日ようやく判決をくだされた。これまで特に悪事を働いた訳でもなく、また私のこれまでの経緯を聞き同情してくれた国王は私を刑に処さず、執行猶予としてくれた。
来月になれば一時釈放されることが決まった。良かった──これでまた彼とともに、今度は胸を張って生活を送ることができる。だから、もう少し待っていてね、アトラス。
*1988年8月22日
彼女はもう帰ってこないのだろう。これだけ音沙汰もないのだ。私は生きる希望を失ったような気がした。だけどきっと、彼女は何処かで元気に暮らしているはずだ。だから私は今日、この家を経つことにする。
プレイオネ、君を探しに。
*1988年9月1日
釈放された私が家に戻ると、アトラスの姿がなかった。何処へ行ったのだろう?
私は彼の帰りを待つことにした。
*1988年12月21日
遠く離れた国境の街までやってきた。ひょっとすると、彼女は不法入国したことがバレてしまったのではないだろうか。もしもそうだとしたら──もう二度と彼女と会うことはないのかもしれない。
いや、神様はきっと私達のことを見てくれている。あの彼女との奇跡の再会を、再び果たすことが出来ると信じて、私は雪舞う道を歩いていく。
*1989年2月14日
ついに私達の子供が生まれた。双子の女の子だ。結局、彼に子供のことを伝えることはできなかった。
本当は、彼とともに決めたかった子供の名前を、私は一人で考えなければならない。
でも、彼ならきっと、どんな名前でも受け入れてくれるように思う。
悩んだ末に、私は彼女たちにマイア、そしてメローペと名付けることにした。
いきなり二人に子供の母親となったことに驚きはあるけれど、きっと元気に育ててみせる。
彼が帰ってくるその日まで──。
ただ、不安なのは、彼が蓄えてくれていた食料がもう底を尽きてしまったということだ。幼い子を抱えながら、私は仕事を探さなければならない。しかし、身分証も持たない私のことをやとってくれる人などいるのだろうか。
アトラスと再会を果たすまでの間、自分一人でさえ食べるのがやっとであった。
この子達に空腹を味合わせる訳にはいかない。私は、覚悟を決めた。
*1989年4月1日
国中を探し回ったが、プレイオネを見つけることはできなかった。私は失意の元、ヒアデスに戻ることにした。もしかしたら、家で私のことを待っているかもしれない。ここからヒアデスまで、およそ1ヶ月ほどの道のりだ。
彼女が家で待っている──そんな一縷の希望を胸に。
*1989年4月28日
生きていくためには、盗みを働くしかなかった。畑から野菜を抱え逃げようとした時、見つかってしまった。
執行猶予──ふとその言葉が頭を掠める。そう、捕まってはならない。もしも捕まれば猶予を与えてもらっていた私の刑が執行される。私は祖国へ強制送還されるか、運が悪ければ監獄送りにされてしまうのだ。それだけは避けなければならない。幼い子が家にいるのだ。私は、無我夢中だった。だから、それは、本当に事故だったんだ。
掴まれた手を振りほどき、体を押しのけたと同時に、嫌な感触がした。鼻の奥を血の匂いが突き刺した。
殺すつもりなんてなかった──でも、その罪が軽くなるなんてことなどありえない。
アトラス、ごめんなさい。私はもう、二度とあなたと会うことはできそうにない。
*1989年5月2日
私が家に戻ると、食料が底をついていた。プレイオネだ。私はすぐに気付いた。家の中を探すが、姿が見えない。代わりに、何やら無数の文字が書かれた一枚の紙切れを見つけた。人の名前が無数に書かれている。その中で2つだけ名前に丸が付けられていた。マイア?メローペ?
これから生まれくる子供の名前でも想像して書いていたのだろうか。その真意はわからない。しかし、懐かしきタラゼドの文字を書ける人物は、このヒアデスにそう多くないはずだ。彼女は戻っていたのだ。ならばきっと、また会えることだろう。ならば待ち続けよう。あなたが戻ってくるその日まで。
*1989年5月3日
私は留置場からヒアデス監獄に移動した。ここに入れられると、刑に処されるその日までここを出ることはできないらしい。つまり、私は──でも、もうどうすることもできない。人を殺した事実は変わらないのだから。それだけのことをしてしまったのだ。マイアとメローペの二人は、孤児院に入れられることが決まったと、看守のお兄さんが伝えてくれた。孤児院がどんな場所かは分からないが、私はただ元気に育ってくれることを、ただ祈っている。
*1989年5月15日
彼女を迎え入れるため仕事に復帰した私は、久々の大仕事を任された。ヒアデス監獄を監視する像のモチーフとして黒水晶でスフィンクス像を作って欲しいと頼まれたのだ。妙な物を作らせるなと思いながら、私はその仕事を受けることにした。
*1989年5月22日
看守のお兄さんから、私は明日刑に処されることを知らされた。伝わるはずもないのに、私は独房を覆う無機質なコンクリートの壁に、メッセージを残すことにした。
「私は先にタラゼドに帰ります。最後にもう一度、会いたかった。」
噛み切った指から滴り落ちる血が、ポタリポタリと流れ落ちた。
*1998年9月23日
あれから10年の月日が流れたが、ついに彼女は私の元へ戻ってくることはなかった。やはり彼女は、アクィーラに──故郷のタラゼドに戻ったのだ。私も故郷へいつか帰ることができるだろうか。宗教だのなんだのと、くだらない。人はよくもそんなことでこんなにも憎しみ合えるものだ。国が分断してから、何年が経つというのだろう。未だ各地で戦火は止まない。頼むから、私を故郷へ帰してくれ。
:
:
*2017年9月29日
最近になって、国の様子がおかしい。あれだけ平和だった国が、混沌とし始めている。国王はまるで人が変わったように法を変え、意味のわからない罪で捕まる者が増えた。王はいったいどんな国作りを目指しているというのだろうか。不安でしかたがない。
*2018年8月15日
王の悪政はついに私の身にも降り掛かった。私は何もしていないというのに。留置場に入れられ、近い内に監獄に移されるという。それはつまり、私がもうすぐこの世を去ることを意味している。
あぁ、プレイオネ。本当にもう、君と会うことはできないのだね。無念で仕方がない。
最後に、故郷にいるであろう君に会いたかった。
*2018年8月30日
ついに私は監獄に入れられてしまった。しかし、なんとか一冊のノートを持ち込むことに成功した。このノートが君のもとに届くと信じて──最後の言葉を君に残したい。
*2018年9月1日
毎日聞こえてくるこの音は、いったいなんなのだろう。乾いたような音、そしてその後に続く、悲鳴にも似た人の声のような──誰かが拷問でも受けているのだろうか。しかし、私は今の所拷問を受けるようなことはない。拷問を受けているのは、相当の重罪人なのだろうか。
*2018年9月4日
なんだか今日は隣の部屋がやけに騒がしい。一体何が起こっているというのだろうか。
*2018年9月14日
今日もあの「音」が聞こえている。窓一つ無いこの部屋で、私はただ最後の日を怯えながら待つことしかできないのか。
アルデバランよ、あなたは何故このような国にしてしまったのだ。ただそれが残念でならない。
*2018年9月18日
隣の部屋で誰かが声を荒げているようだ。きっと、隣の囚人は今日処刑されるのだろう。そしてその後やってきた看守から、明日私も刑に処されると知らされた。
今夜最後に見る夢は、果たしてどんな夢だろうか。その夢の中で、君が微笑んでくれていることを私は願う。
***
私はノートを閉じて、そして最後の日を迎えた。
私を迎えに来たのは片目に傷を追った若い女性だった。
若くして看守長という彼女は名をマイアというらしい。良い名前だと思う。
しかし、何処かで聞いた名前だ。はて、どこで聞いたのだろう。どうにも思い出せない。
それに、何故か彼女を見ていると懐かしい気持ちがこみ上げる。
もしも30年前のあの時、君と離ればなれになることなく幸せな生活を営み、例えば子を育んでいれば、きっと彼女くらいの年頃の子供ができていたことだろう。
あぁ、そうか。これは神様が幻を見せてくれているのかもしれない。
だってそうだろう。
目の前に立つこの女性は、昨日の夜、夢で会った君の姿にあまりにもそっくりだったのだから。
妙な偶然に、私は微笑んだ。
これからこの世を去るというのに清々しい気持ちだった。
だから、神様。ありがとう。
そしてプレイオネ──聞こえているかい。
君は今も、タラゼドで元気に暮らしているのだろうか。
だとしたら、こんなにも待たせてしまってごめんね。
僕も今から、故郷へ帰るよ。
.
ヒアデスから、タラゼドへ──