ある日、テーブルの上にチラシと一緒にみかんが添えて置いてあった。また母だ。母は去年から認知症を煩っていて、スーパーでミカンを買ってきてはチラシと一緒にテーブルの上に置いて置くのだ。毎日毎日仕事で疲れているのに家でも休む事の出来ないカメオはとうとう母親を殺してしまった。母親の記憶も消してしまおうと母親の持ち物を処理している時、カメオはある事に気づき悔やんでも悔やみきれないほど泣いた。いったいなぜだろうか。
転載元: 「母として」 作者: パイナップル (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/2218
カメオは毎日大変そうだ。仕事をしながら一年前から人の顔や近くの道が分からなくなった私の世話をしている。唯一スーパーにだけ行けるのでせめてものお礼に私はカメオに子供の頃一緒に遊んで書いていたミカンの炙り出しで感謝の手紙を送る事にした。カメオ喜んでくれると良いな。
「ありがとう、カメオ」
燃え盛る火の中に、チラシに書き綴られたその言葉は灰となって消えていった。