あるレストランは、冷やし中華をメニューに追加するのを機に、卓上に呼び鈴を置くことにした。
一体なぜだろう?
(福元 術さんのリサイクルです。)
転載元: 「【鈴虫ますか?リサイクル】「冷やし中華、始めました」」 作者: ZENO (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/1988
【要約】
冷やし中華用の調理器具をバックヤードに新設したために、お客様の声が届きにくくなった。
【お話】
レストラン「Cindy」は20席程度のこじんまりとした洋食屋。
オーナーのカメオはカウンター内で調理をしながら
お客様の動向にも常に気を配り、オーダーを漏らすことはありませんでした。
そんなカメオの気配りも幸いしてか、Cindyは常連客から愛される地元の名店となりました。
そんな毎日に概ね満足していたカメオでしたが、ある日、ふと思いました。
「飲食店を経営する以上は、『冷やし中華始めました』、やってみたい!」
いやいや、言うて冷やし中華ですよ?
冷やし中華の何がそこまでカメオの琴線に触れたのかは良く分かりませんが
ともあれカメオは冷やし中華をやりたくて仕方なくなったのです。
ところがCindyは洋食屋であり、中華麺を茹でる器具も、それを冷水で締める器具もありませんでした。
そのため、バックヤードとして利用していたカウンターの裏側にそれらの器具を新設したのです。
ところが、ひとつ困った出来事が発生しました。
これまでカメオは常にカウンターからお客様の方を向いて調理をしていたのですが
冷やし中華の調理中だけはお客様に背中を向けてバックヤードに引っ込んでしまうのです。
学生時代、内気だったカメオは、注文したい時に店員さんに気付いてもらえない苦痛は誰より知ってます。
「すいませーん(小声)。・・・すいませーん(ちょっと大声)!」
ああ目立ってる。周りのお客さんに笑われてる。いつ気付いてもらえるんだろう。
お客様をそんな針のムシロみたいな気持ちにさせることは断じて許されない。
そんな思いから、カメオはお客様の卓上に呼び鈴を置くことにしたのでした。
なんというかカメオ、色々と気ぃ使い過ぎ。