575の扉　～君が子規になる～

俳句の穴埋め問題です
○に入る言葉を考えてください
質問禁止、スナイプ狙いの回答だけ受け付けます
制限はありませんので、大喜利感覚で気軽に回答して貰ってかまいません
正解以外にも、私が個人的に『良い!』と思った回答には良質を付けます
8/10の22:00に終了予定です

自分だけの、独創的な名句を産み出しましょう!
では問題

【想定解】夏シャツの父に教わるカレーかな　　（さるぼぼさん回答）

上の句は、【正解】ではありません。私が用意した詠み方、情景の可能性に過ぎません。
むしろ、今回皆さんが考えてくださった俳句全てが【正解】の一つだと思います。
では、その中でも一際、個人的に気に入った俳句を鑑賞していきます。

夏シャツの父に教わるビールかな　（タマ吉さん作）

ビールというものは、子供にとってかなり特殊な存在です。テレビCMや宴会などで、大人が実際に飲んでいる姿はしょっちゅう見かけるものの、20歳になるまで飲んではいけないと厳しく制限されています。子供にとって、ビールというのは大人の象徴でもあるのですね。
この俳句の詠者は、20歳の誕生日を迎えたばかりなのでしょう。父親が缶ビールを二本持ってきて、一緒に飲み始めます。幼かった頃の思い出話に花を咲かせたり、これからの生き方について語ったりしながら。『教わる』という言葉は『ビール』ではなく、『ビールを飲む』という行為にもかかっているように思えます。

夏シャツの父に教わる米寿かな　（タマ吉さん作）

『米寿を教わる』というのは聞き慣れない表現ですが、考えてみるといろいろな情景が見えてきます。
今までの人生の経験談を聞いているのかもしれません。今の時期だと、戦争の話題などが思い浮かびます。或いは、年を取った事への愚痴を聞いてやっているのかもしれません。それもまた、貴重な経験です。さて、父親が88歳と言うことは、この句の詠者の年齢は60代くらいでしょうか。二人とも若い頃と変わらず元気で、生き生きとした老後を送っているのでしょう。『夏シャツ』のフレッシュさががそれをよく表しています。

夏シャツの父に教わる墓参かな　（狐狗狸さん作）
『ぼさん』ですね。ただしこの場合、『かな』を抜いて『墓参り』と5音使ったほうが良さそうです。
誰の墓でしょうか。私は、父親の父親、つまり父方の祖父の墓参りだと思います。ラフな夏シャツを着て、息子と二人で親の墓参りに来た父の心情はどのようなものだったのでしょう。父は墓参りの作法を教えながら、息子が自分の墓へお参りに来る日のことを想像しているのかもしれません。言葉では説明できないような繊細で複雑な感情の動きも、こうやって575で表現すると、心の底で感覚的に理解することが出気がしますます

以上、私の独断と偏見で選んだ3句でした!
選ばれたタマ吉さんと狐狗狸さん、そして想定解を当てたさるぼぼさんには、称号[盛夏の俳人]を（勝手に）差し上げます!
皆さん、参加いただきありがとうございました!