昔むかしあるところにお爺さんとお婆さんが住んでいた。お爺さんは毎日のように山へ芝刈りに行っていたが、ある日からそれをやめてしまった。さて、お婆さんはこの事を喜んだのだが、一体何故だろう?
転載元: 「真説・桃太郎Case1~サボり魔グランドファザー~」 作者: TATATO (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/1868
お爺さんは昔から働き者で、以前は毎日のように山へ柴刈りに行っていた。”柴刈り”、すなわち低木を刈ったり枯れ枝を拾い集め、薪として売って生計を立てていたのである。しかし高齢になり認知症になってしまったお爺さんは近年徘徊の頻度が増え、毎日近くの山へ行っては”芝刈り”、すなわち芝を刈って帰ってくるだけになってしまった。いや、帰ってくるのならばまだ良い。時には山に入ったまま帰って来ず、お婆さんの方から探しに行くこともあった。
(お爺さんや、何故山の芝を刈る?どうせなら庭の芝を刈っておくれ)
お爺さんの行動にほとほと困り果てていたお婆さん。しかし体力の衰えからだろうか、ある日お爺さんの徘徊がパタリと止んだ。お爺さんの介護の手間が少しだけ軽減され、お婆さんは喜んだのだった。