【ケますか？リサイクル】je tape Marylou sur mon clavier

私はいつも同じ店で新聞を買う。
上司のおつかいであり、自分で読むことはない。

店にいるのはいつも同じ店員。
私は彼のことが気になっていた。

そんなある日、休憩中の彼が、スマホであるサイトを覗いているのを見てしまった。
右上に彼のハンドルネームも出ていた。

早速そのサイトをチェックすると、どうやらそれは「ウミガメのスープ」というものの出題サイトらしい。
彼は、出題はあまりしていないが、問題への参加はまあまあしている比較的古参のメンバーらしい、ということがわかった。

私の初出題は、こういうものだった。

新聞をまったく読まないのに毎日購入する女。
なぜ？

彼も参加してくれた。
（彼がちょうど他の問題にも参加している時間帯を狙って出題したわけではあるが）

次に私が出題したのはこういう問題だった。

毎日電子マネーで新聞を購入する女が、その日に限って現金で支払ったのはなぜ？

私はその日だけ現金で支払った。

毎日新聞を買う女が、真冬だというのにアイスクリームと新聞を一緒に買ったのはなぜ？

もちろん私はその日アイスクリームを買っている。

そのウミガメサイトでは、私は「新聞の問題ばかり出すちょっと変わったユーザー」として認知されるようになった。

でも、彼にとってはそれ以上だったろう。

そりゃそうだ。店に来た客のとった行動と同じ問題が出題されているのだから。

「あの〜」
「はい？」
「突然変なことうかがってごめんなさい。もしかして、ウミガメサイトのcandyに投稿されてます？」
「え…はい…そうですけど…なぜ…」
「あの、新聞の問題出されてるgattagrigiaさんですか？」
「あーーーっ　そうです灰猫です！！」
「やっぱり…実は、僕、Marylouなんですよ！！いつも新聞買ってるときのことが問題になってるな〜って思って気になってました。」
「えーっっ　あのベテランのメアリーさん！？　やだ恥ずかしい〜〜〜〜」
「いや、ベテランって言うほどじゃ…。」
「えーっ　でも世界狭いですね〜〜　私はまだ新参者なんですけど、せっかくの機会なので、またお話しさせてもらえると嬉しいです！！いろいろウミガメのこととかうかがいたいですし」
「あ、僕で良ければ」
（やったぁ）