ぶつかり合う正義

三船とも子は警察官である夫の事を思い、涙した。
これまで一度も正義について疑問を持ったことなどないし

ただ夫を信じて慎ましく生きていけば何も悪い事など起きずに
幸せに暮らしていける、とも子はそんな考えの素朴な主婦だったのだ。

涙を流しきり落ち着いた後、彼女は夫が残したやりとりから警察を疑い
慎重に調査した結果素人であるにもかかわらず正しい答えを得ることができた。
彼女から夫を奪ったのはまた別の正義だったのだ。
あまりも衝撃的すぎる結果に彼女は耐えられなくなり逃げだし新しい人生を歩むことにする。

5年後、とも子の心の傷も癒えて新しく素敵な出会いもあった
曲がったことの嫌いなまっすぐで気持ちのよい男性だった。
この人になら一生を捧げても悔いがない、二人は結婚し相思相愛幸せに暮らしていた。

しかし、ある事が切っ掛けで二人は大げんかする事になり
とも子は過去の事情をすべて説明することになってしまった。

そのある事とはいったい何であろうか？

正義という名前の前夫に浮気されたとも子
なんと浮気相手は男で、その男の名前も正義である。
とも子はあまりのショックで茫然自失になり離婚する事となった。

五年がたち時がとも子の心の傷を癒し、素敵な男性と出会う事も出来た
二回目の結婚をして幸せな暮らしを手に入れ自然な流れで子供を授かる。

しかしその子供の名づけの事で大げんか
まっすぐで曲がったことの嫌いな今の夫は子供の名前にこだわりがあり
正義という名前を子供につけたいと言い出したのだ。

反対するとも子と名前に拘る夫、お互い譲らず平行線をたどった結果
夫を納得させるため過去の出来事で正義という名前がトラウマになっていた事を語ったのだ。

これで夫も理解してくれ今後も二人・・・いや三人は幸せに暮らしていくことになったとさ。