とある男が、勝者インタビューに答えているのだが。どーも返事が適当である。
「やっぱり、勝つには才能がいるんですか?」
「まー、いる」
「他には、運とか?」
「まぁ、いる」
「あとは、やっぱり練習量っすか?」
「んー、まーいるね」
あんまりにも生返事すぎるのだが、なぜかインタビュアーは満足げだ。
どうしてだろう?
*Q5 アシカさんのリサイクルです。
転載元: 「【まいりますか?リサイクル】someday we're gonna (Win!)」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/10265
*「今度の試合で勝利を収めたらプロポーズする」と言ってくれていた恋人のインタビューをしているから。
「マイルズ選手、50勝目、おめでとうございます!今のお気持ちをどうぞ!」
…これが喜ばずにいられるかって言うんだ。
初めて出会ったのはあたしが駆け出しのレポーター、彼が新人選手だった頃だ。
それから5年、あたしたちはこっそり交際を続けてきた。
今や彼はチームを支える主軸選手、あたしはスポーツ番組のメインキャスターだ。
「次の勝利が50勝目。そうしたら、結婚しよう。」
あたしは、その瞬間をずーっと待っていた。
「やっぱり、勝つには才能がいるんですか?」
「まー、いる」
「他には、運とか?」
「まぁ、いる」
「あとは、やっぱり練習量っすか?」
「んー、まーいるね」
気のない返事。そりゃそうでしょうよ。
元から口下手なひとだし、この後気合を入れるべき本番が待ってるんだもんね。
「ありがとうございました。客席の皆さま、マイルズ選手に今一度盛大な拍手をどうぞ!!」
「…あ〜、まあ、いる?これ。…結婚してください」
「え、あ、ちょ、ま、ここで指輪?。え、ちょ…」
二人を大きな拍手が包んでいた。