毎日毎日、自分の家の壁をつついているカメオ。
それは、遠く離れたところに住んでいるカメコのためにやっているというのだが、どういうことだろう?
Aspilさんのリサイクルです。
転載元: 「【啄木鳥ますか?リサイクル】僕はここにいる。」 作者: エルナト (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/2421
──トントン。
今日も、「君」のために壁を叩く。
すると、向こう側からもトントンと、返事が返ってくる。
この壁のすぐ向こう側にいる「カメコ」さん。
ああ、早く「君」に会いたい。
「君」はいつもすぐ僕に返事を返してくれる。
「君」も僕のことをこんなにも思ってくれているんだね。
だから、「君」が寂しくないように、僕は今日も「君」のために壁を叩くよ。
***
本当に気持ちが悪かった。
毎日のように隣人は私の部屋との間の壁を叩いてくる。
聞くところによると、隣の部屋に住む名前も知らない住人はずっと家から外に出てこない人だったそうだ。
しかし、私があの家に引っ越してからまもなく、いつ姿を見られたのかは分からないが、どうも私に一目惚れしたらしい。
そして毎日トントンと壁を鳴らされるようになってしまったのだ。
気持ち悪くなって、私はまたすぐにあの家から引っ越した。
念の為ストーカー被害を申告し、名前も「キコ」に改名する手続きを行った。これでもう、安心。
私はまた平穏な日常を取り戻した。
***
最近この家に戻って来てから、妙な事が続いている。
隣の部屋からずっとトントンと壁を叩く音が聞こえるのだ。
僕は、いじめられっ子だった。
逃げるように転校したのだが、その先でも結局いじめられてしまい、僕は前まで住んでいたこの家に戻ってきた。
初めは恐ろしかったが、しかしその壁を叩くリズムは何処か心地良かった。
あぁ、隣の家には一体どんな人が暮らしているのだろう?
こうやって毎日、僕ことを励ましてくれる。
きっと素敵な人に違いない。
美人なお姉さんだったら良いな。
そんな妄想を膨らませながら、今日も僕は、壁の向こうにいる「あなた」に向けて返事をする。
──トントン。
僕は、ここにいる。
***答え***
ストーカー・カメオは隣人だったカメコが遠くへ引っ越しその家が空き家になったことも知らず、隣に住み続けていると思っているカメコに対し合図を送り続けている。