現代の世の中に魔女というものが存在するとしたら、それは、凄腕の服屋の店員であろう。
彼女たちは、「なぜかスタイル抜群の美女に見える魔法の鏡」の助けを借りて、
「え、めっちゃお似合いなんですけど?やばくないですか?」
「まるでお客様のために用意していたようで、びっくりしました」
「モデルさんか何かなさってました?すごいスタイル良い!」
「Wow!Super sexy!!」
などの呪文を駆使し、無垢な生贄たちから巨額の金員を巻き上げるのだ。(個人差あり)
さて、その魔法の鏡であるが、ある魔女の館(服屋)では、実際より太って見える鏡を試着室に設置している。
なぜだろう?
なお、文化圏における美醜の基準の差異や、近年取り沙汰されている美の多様化・セルフエスティームについては、ここでは取り扱わないものとする。
転載元: 「【魔法ますか?リサイクル】she just wants to be beautiful」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/9960
*試着室を出た時の、店内の「全身が映るミラー」との落差でより効率的な魔法をかけるため。
そうそう、彼女たちは最終魔法を持っている。
「え、外に大きな鏡がありますから、ちょっと出てきてみてくださいよ?」
試着室の段階では、まだ理性の残っている子羊を完全に洗脳するための奥義である。
「うーん、さっきはちょっと太って見えたんだけど、こうしてみるとそうでもないかな…?」
「ですです!すっごいスタイル良いですよ〜」
そのために、店内にはより性能の高い魔法の鏡を設置していることもある。
時には館の壁中にその結界を張り巡らせている。
しかし、試着室に少し太って見える鏡を入れておけば、落差を用いることで、店内に張り巡らされた鏡がたとえ普通の鏡であったとしても、より効率的に魔法をかけることができるのだ。
それでもなお、迷いがある子羊には、
「このベルトでウェストマークしていただけると更にくびれが強調されますよ!」
「きれい系の差し色巻いたら、また雰囲気も違いますし!」
「こんな感じの羽織り合わせたら、3シーズンいけます!」
「これとかこれとか、こんなふうにどんなボトムスにも合わせられますよ!」
と更に追加で呪文を唱え、搾取していくことも可能。
魔女の館には迷い込まないように、気を付けないといけない。
*この問題は、一部実際に用いられた表現を用いたフィクションです。
実際のお洋服屋さんはこんなことしてません。多分。