女は、小規模ではあるが重要な会合の事務を担当していた。
その会合に関するある書類に目を通していた女は、外注先に払う費用を約2倍に増やすこととした。
そして、その外注先には、「正確に業務を行わないように」 という趣旨のオーダーを出した。
外注先は、女の指示に従い、その仕事を不正確に行った。
その結果、会合の出席者・関係者は満足したし、外注先の評価も上がった。
なぜだろうか?
転載元: 「casually cruel in the name of bein' honest」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/9812
*カウンターパートのスピーチの原稿は、あまり直訳しない方が良いようなものだったから、原文を聞かれないように逐次通訳ではなく同時通訳を頼むことにした。
「この原稿…そのまま読まない方がいいな」
日本の支援者たちの会合での、カウンターパートのスピーチ原稿を見て、逆瀬川は頭を抱えた。
まあ、日本みたいに建前を言わないお国柄なのはわかる。
それが文化の違いってものだ。
しかし、日本側の支援者(議員の先生や社長さんたちだ)が聞きたいのはこんなことじゃないだろう。
だからと言って、露骨にいじった訳文を読み上げるのも気まずい。
ざっと見たところ、支援者の中に、そこまで英語に堪能な人はいなさそうだが、何となくおかしいと思われる可能性もないわけではない。
そこで、逆瀬川は、逐次通訳ではなく、同時通訳を頼むことにした。
経理には、短時間で効率の良い意見交換が必要だからとかなんとか理由をくっつけて。
同時通訳は同時に二人体制で行うので、少なくとも倍の費用がかかる。
だが、同時通訳があれば、よほど英語のできる人でない限り、日本語訳の方を聞くだろう。
そして、通訳会社には、「正確な訳文ではなく、直截な要求や皮肉とも取れる部分はカットし、できるだけ耳障りの良い要約した訳文にするように」依頼した。
もちろん、プロの通訳はそれをきちんとやってのけた。
支援者はみんなニコニコと聞いている。
(ふーん、あの英文のスピーチ原稿がこんな日本語の文章になるとはね…大したものだわ。この通訳会社、何かあったらまた使うことにしよう)
逆瀬川は、そのプロの腕前に感銘を受けたのだった。