郊外にあるピザ屋「シンディピザ」は派手なピザ回しではなく、皿回しで有名な店舗だ。
皿回しをする理由がピザを美味しくするためなのだが、どういうことだろう?
*Q8 白石コーソーさんのオマージュです。
転載元: 「【食器ますか?オマージュ】cómo una noche ochentera」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/9738
*踊った後はなんでも美味しいから。(“Hunger is the best sauce.”)
ここは、土曜日になるとMercato delle pulci(蚤の市)が立つことで知られる、地中海沿岸の街。
トラットリア”Tre Gattine”を経営するミカエラのもとに、馴染みの厄神ヴァイオレットが金曜日の予約の電話をかけてきた。
「ごめんなさいね、シニョリーナ。その日はお店お休みなの。マダム・カムパネルラや弟のジョバンニ、みんなで郊外のピッツェリアに行く予定なんだけど、良ければ一緒に来ない?クラバーのヴィオレッタなら間違いなく気に入ってくれると思うわ。」
「郊外の?ピッツェリアに?わざわざ?まあ、ミカエラがおすすめのお店なら美味しいと思うけど…(ていうかクラバー関係ある?)」
金曜日の夜、誘われたピッツェリアに到着したヴァイオレットは驚いた。
そこは、「郊外のピザ屋」という風情ではなかった。
「何この80年代みたいなハイプな空間…ここイビザ島w?」
「そうね。皿を回してるのは長年イビザのクラブでDJを務めてきた、、ターンテーブルのプロよ。」
「えっ?」
その途端、店内のDJブースに据えられたターンテーブルから、大音響のダンスミュージックが鳴り響いてきた。
世界中のクラブで踊り明かしてきたヴァイオレットにはわかる。
このDJは一流だ。
「確かにすごいわね。このDJ。こんな田舎にいるのが不思議。(…ってかピザは?)」
1時間ほど踊ったところで、音楽は止んだ。
「楽しんでいたみたいね、ヴィオレッタ。」
「最高ね。イビザでもこんなにレイヴしなかった。…もう喉も渇いたし、お腹ぺこぺこw」
席についたヴァイオレットが大好きな赤ワインを飲んでいると、程なくして薪窯で焼き立てのピザが運ばれてきた。
「何これ!こんな美味しいピザ食べたことない!」
「そうね、シェフは長年ナポリで修行をしてきたピザのプロよ」
「お気に召していただけましたか、美しいシニョリーナ。サウンドもピザも?」
「えっ…?」
そう言って恭しく挨拶にきたシェフは、紛れもなく先ほどのDJ本人であった。