お揃いのマグカップのせいで、彼は彼女に少しがっかりした。
お揃いのマグカップでなかったら、彼が彼女にがっかりすることはなかったのに。
なぜだろう?
*Q5 セルフリサイクルです。
転載元: 「【食器ますか?リサイクル】said drink from me, drink from me」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/9725
*「お揃いの」マグカップなのに、1つだけ割れた時に「あなたのマグカップ」と言われたから。
弘樹が白音と結婚し、XOXOXOXO時間が過ぎた。
「きゃあっ!」
キッチンから上がった白音の悲鳴に、弘樹は思わず駆け寄った。
「白音大丈夫?」
「うん、ごめんなさい…あなたのマグカップが割れちゃった…」
「いいよ、怪我はなかった?」
「うん、大丈夫…ありがとう」
白音が無事で安心したが、心にどこか引っかかるところがあった。
二人が付き合い始めた頃、アウトレットで買ったお揃いのマグカップ。
柄も形も全て同じ。
なのに。
白音は、「『あなたの』マグカップが割れた」と言った。
高校の頃からの仲良しだった白音。
僕の好きなフレーバーのアイスを買ってきてくれた白音。
苦手な玉ねぎを使って僕のために料理を作ってくれた白音。
なのに。
結婚したら女の人は変わるっていうけれど。
白音もそうだったのかな。
弘樹はちょっと、がっかりした。
〜翌日〜
「ごめんね。新しいペアマグ買ってきた.やっぱり家ではペアのを使いたいから、前のやつは会社で使うことにしたよ」
「…ねえ、なんで僕のマグだって言ったの?」
「プリント」
「は?」
「あれ、アウトレットで買ったでしょ?少しずつ印刷がずれてるの。まあ使うのには全然問題ないしね」
「そ、そうだったの?気付かなかった…」
「うん。どうして…?」
「…ごめん」
「何が?あ、チョコミントチャイ淹れたから、一緒に飲も?」