高校の進路指導室で、教師と生徒の父兄が真剣な顔で話している。
「先生…息子のカメオをどうしてもウミガメ大学に合格させたいのですが、いかがでしょうか?」
「…あの…残念ながらカメオ君の成績ではウミ大はE判定…今からではとても…」
「……そうだ、金!カネさえあればなんとか!あとは先生のお力添えさえあれば…」
「何を言い出すんですか!そんなこと、私は協力するつもりはありません!」
「いえいえ、先生、もう一度考え直して…」
「そんなことをしたら私は職を失います!この話は終わりにしましょう!」
面談は物別れに終わり二度と両者が連絡をとることはなかったが、この教師は学校をクビになった。
何が起こったのだろうか?
転載元: 「闇の中の進路」 作者: 丼 (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/968
会話は、学校の進路担当の教師と、そこに通う生徒の父親である政治家のものである。
息子をどうしても志望校に合格させたいという政治家に対して教師は、金と政治家の口利きさえあれば合格は可能と裏口入学を持ちかけた。
清廉で有名な政治家は、その話を一蹴して教育委員会に通報したため、教師は退職することとなった。
(会話は、政治家→教師→教師→政治家→教師→政治家の順番)
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ところで、翌春カメオは晴れて第一志望のウミガメ大学に合格したそうだ。
いったいどのように合格したのか、誰も知らない。政治家も知らない、らしい。