むかしむかしあるところに、カメオという男がいました。
ある日、いっしょに住んでいるウミオが「今晩は『ラテウサギのスープ』にしよう」と言ったので、カメオはスープを楽しみにしていました。
ところが、夕方になってカメオがすみかに帰ってくると、ウミオは別のスープを作っていました。
ウミオに話をきいてみると、蔵にラテウサギの在庫がなかったため、代わりにラテガメを使ったそうです。
大好物のラテウサギが食べられなくなってしまったので、カメオはとても残念そうな顔でスープを食べはじめました。
しかし、彼はその『ラテガメのスープ』を一口飲んだところで止め、ラテウサギが食べられなくて本当によかったと思いました。
いったいなぜでしょうか?
転載元: 「シンディ物語「ウサギとカメのスープ」」 作者: ぺてー (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/9639
A. もしラテウサギの盗み食いに成功していれば、ウミオに殺されて『ラテガメのスープ』にされていたと気づいたため。
むかしむかしある無人島で、カメオ・ウミオ・ラテオの三人が暮らしていました。
彼らはずいぶん前にこの島に流れつき、生き残るためともに助けあうことを誓いあいました。
とはいえ、無人島では食べ物がなかなか手に入らず、三人はいつもお腹をすかせていました。
ある日、今週の料理担当であったウミオが「今晩は『ラテウサギのスープ』にしよう」と言ったので、カメオはスープを楽しみにしていました。
しかし、お腹がペコペコであったカメオは、約束を破って盗み食いをしようとしました。
そんなとき、たまたまウミオとばったり出くわしてしまったので、カメオはあきらめて自分の仕事に戻ったのでした。
おとなしく山菜あつめを終えてカメオがすみかに帰ってくると、ウミオは別のスープを作っていました。
ウミオに話をきいてみると、昼までは蔵にあったはずのラテウサギの在庫がなかったため、しかたなく代わりにラテガメを使ったそうです。
カメオ(ラテオのやつ、ラテウサギを盗み食いしやがったな。くそう、あのときウミオに見つからなければなあ。)
とてつもなくまじめなウミオが約束を破るわけもなく、ラテオが盗み食いをしたことは明らかでした。
あのとき盗み食いができていればラテウサギを食べることができたのにと、カメオは悔しがりました。
大好物のラテウサギがラテオに食べられなくなってしまったので、カメオはとても残念そうな顔でスープを食べはじめました。
しかし、彼はその『ラテガメのスープ』を一口飲んだところで止め、首をかしげました。
前に食べた『ラテガメのスープ』と味がまったく違っていたのです。
どういうことかとカメオは考えこみ、そしてある一つのおぞましい可能性に気づいてしまいました。
カメオ(あのとき、ラテウサギが食べられなくて本当によかった…)
カメオは心からそう思いました。
そして、カメオはウミオを呼ぶと、おそるおそる口を開くのでした。
「なあ、これは本当にラテガメのスープか?」
〜おしまい〜