「うわーこのケーキ、美味しそう💕写真撮ろうっと」
ジムで一緒にダンスのクラスに出ているルゥから、お茶しに行こうと誘われ、休日一緒に人気のカフェに来た美魔女課長鳥居美蘭。
ジムとその帰り以外で彼女と会うのは初めてだ。
「見てみて〜〜可愛くない?」
「そ、そうね…(可愛いってケーキなのかな、自分なのかな…)」
見せてくれたのは、ケーキを持ってご満悦のセルフィー。
今日だけでもう何枚目の自撮りだろう。
これだけドアップでも可愛いのは、流石だ。
「あーっっ」
突如ルゥは両手を頬に当てて可愛らしいポーズを取ると、急に泣きそうな顔で叫んで店を出た。
なぜだろう?
*こちらの問題の続きだと思ってください。特に前の問題を知らなくても解けますが、フレーバー的には知っていると面白いかもしれません。
*任意参加テーマ:自撮りってする?
転載元: 「【二物衝撃No.5&No.13】what do you see in those yellow eyes?」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/9447
*ちょっと前に撮ったセルフィーに写ってたピアスが今撮ったセルフィーにはなかった。きっとこの近くで落としたはずだ。
「確かに美味しそうだけど、こういう時でも、自分を写し込むんだw」
「うん。だって物とか景色だけの写真撮ったって意味なくない?」
「私も自撮りは嫌いじゃないから言いたいことはわかるけど。インスタとかには上げないんだ?」
「うん、そういうのはしない。後で自分で見返すだけ。あ、この時のメイクかわいいな、とか、このアングルの私いけてる、とか。人と比べることはしないけど、自分の中ではいつも過去の自分がライバ…あーっ!!」
「どうしたの?」
「ちょっと待ってて!」
狼女は、可愛らしく頬を抑えると、泣きそうな顔で叫び、店を出て行った。可愛いポーズと表情のギャップ(でも可愛い)。
「良かった、あった。」
「何が?」
「このピアス」
そっと手を開いて見せてくれたのは、彼女がいつもしているピアス。
イエローパールと黄色の石、シトリンだろうか。
彼女の目の色に、少し似ている。
「高校の時ピアスを開けたらお母さんがくれたの。ずっとつけてる。お母さんもおじいちゃんからもらってずっと使ってたやつで、なんか不思議な効果があるみたい、(これをしてると、あまり耳が生えたりしないんだ。)さっき待ち合わせしてた時のセルフィーではしてたけど、今ここで撮ってみたらなかったから、絶対その辺で落としたって思った。自分の写真見返してると、まあまあ役に立つことあるwもしかしたらピアスが呼んでくれたのかもしれないけど。」
「へえ…長いこと使っているものには魂が宿るっていうから、そういう効果なのかな?でも大事なものが見つかって良かったね!」
「うん!」
そう言って底抜けの笑顔で笑う彼女は、やっぱりとても可愛い。
吸い込まれそうな、黄色い瞳。
すると、彼女は急に私の横に寄り添ってきて、ツーショットの写真を撮った。
「この写真送るね!あ、お姉さん名前は?」
「(まって このタイミング?)あ、鳥居美蘭…」
「美蘭さん。もう鬼でも悪魔でもないね。私はルゥだよ。もう狼女って呼ばないでねwあ、それと、ピアス見つかったから言うけど」
「ん?」
「付き合ってください!」
「え!?あ、はい。(付喪神ってそんな効果あったっけ?)」