七夕の夜、笹に捧げられている短冊に紛れて呪いの札が一枚掛かっていた。
一体誰がこんな事をしたのか?
*Q8 ノーキンさんのリサイクルです。
転載元: 「【願いますか?リサイクル】dev'nir une autre Ava Gardner」 作者: gattabianca (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/9353
*猫を探したい人。「たちわかれ」の札を笹に吊すことにしたから。
ここはとある地中海沿岸の町。
毎週土曜日になると蚤の市”Mercato delle pulci”が立つことで知られている。
「Ciao! ジョバンニ、そのデコレーションは何?」
マダム・カムパネルラが、アジア系の骨董品を広く取り揃えている店の主人、ジョバンニに声をかけた。
「これはバンブー?」
「そうだよ。こうしてカードに願い事を書いて笹に吊るすと、星が叶えてくれるんだ。ちょうどそれが7月7日、今夜らしいんだよ。カムパネルラも願い事を書いていくといいよ。」
「星に願いを、というわけね…素敵だわ…あらこれは、あの、猫が帰って来るお呪い(まじない)の札じゃないの?」
カムパネルラは、笹に吊るされた百人一首の札に目を留めた。
「そうだよ。猫がいなくなったって困ってるお客さんがいるから、たくさん飾ってみたんだ。元々日本では書道が上手になるように、というお願いをしていたみたいなので、この日本語のアーティスティックな字が書かれた札はちょうどいいだろう?
あ、ちょうどいい所にヴィオレッタが…ねえ、この札は猫が帰って来るお呪いなんだろう?」
ジョバンニは、ちょうど通りかかった、日本文化にも詳しいヴァイオレットに声をかけた。
「ん?これは百人一首というゲームのカードよ…猫が帰って来るのはこれだけね」
そう言って、「たちわかれ」の札を指差すヴァイオレット。
「えっ(じゃあインペラトリーチェちゃんが帰って来たのは偶然?)」
それを聞いたカムパネルラは、ちょっと困惑していた。