転載元: 「【道ますか?リサイクル】緑の目」 作者: ねじ (Cindy) URL: https://www.cindythink.com/puzzle/9255
問題文曰く、
気球…でなく(鳴く)、猫。
「たかくてこわいんだニャー!!」
カメオはペットレスキューの仕事をしている。
今日の依頼主は眼科医で、カメオはその自宅兼診療所を訪ねていた。
子猫を探して欲しいという依頼を受け、特徴や行動パターンを聞き、猫探しの貼り紙の内容について話し合いをしている最中だった。
突然依頼主のスマホが鳴った。
彼はスマホを開き、青ざめた。
カメオは依頼主が差し出したスマホの画面を覗き込んだ。
映し出されている動画には、青い空と長い1本道。
その先の樹木にカメラが寄ると、気球が引っかかっているのがわかる。
バスケットに入ってニャーニャー鳴いている子猫のサイズから考えると、地面から3メートルくらいの高さらしい。
「何ですか!?これは!?」と怒りをこめてカメオが尋ねると、依頼主は申し訳なさそうな顔で「息子がやらかしたみたいです」と答えた。
「『降ろせない』とメッセージが。」
「場所はわかりますか?案内を!」
カメオは自分の車に依頼主を乗せ、現場に急行した。
大きな杉の木の下に、半泣きになっている小学校低学年くらいの少年が立っていた。
カメオは木にはしごをかけ、気球に乗せられた猫を救い出した。
猫は無事だった。
気球の方はバルーンが破れ、ちょっと再生が難しいようだが。
気球に猫を乗せて飛ばしたのは子供のいたずら心だったようだが、はっきり言ってタイホされてもおかしくないレベルの虐待だということをよく言い聞かせておくことにした。
なお、粗製の気球に飛翔能力などなく、子供は紐で吊ってドローンで飛ばし、それをスマホで撮影していたらしい。
紐が枝に引っかかって切れたそうで、バスケットが落下しなかったのは本当に幸運だった。
「こんなガキにドローンは早過ぎる」とカメオはひとりごちた。
後で聞いた話によると、子供は「パパとママが子猫ばかりかわいがるから、くやしくてイジワルしようと思った」と語ったとか。